比抵抗法2次元電気探査から3次元解析を行うための合理的な測線配置法

比抵抗法2次元電気探査から3次元解析を行うための合理的な測線配置法

タイトル比抵抗法2次元電気探査から3次元解析を行うための合理的な測線配置法
要約 地下水分布等の探査対象物の位置が不明な場合は、電極間隔の10倍程度の間隔で平行に配置する測線の2次元探査データを3次元解析して対象物を概定した後、概定箇所で直交する測線の探査を行うことで、最小の測定で3次元解析に必要なデータを取得できる。
キーワード電気探査、3次元解析、比抵抗、測線配置、2次元探査
担当機関(独)農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究所 農村総合研究部 広域防災研究チーム
連絡先029-838-7590
区分(部会名)農業工学
区分(部会名)農村工学
分類技術、行政、参考
背景・ねらい 近年、地盤条件に起因する災害が増加しており、地質構造や地下水分布など地下の状態を詳細に把握するための3次元調査法が求められている。多数の2次元電気探査断面や3次元電気探査から、地下の3次元比抵抗構造を明らかにすることが行われているが、多数の探査では精度は向上するが探査労力とコスト面に問題がある。探査範囲に配置した少数の2次元探査結果のデータを3次元解析することで、地形や地下構造の3次元的な影響を考慮した結果が得られる省力型3次元電気探査法が提案されているが、2次元探査測線の配置法については指針がない。数値実験により測線配置の特性を検討し、3次元解析のための合理的な測線配置法を提案する。
成果の内容・特徴
  1. 均一媒体中(100Ωm)に比抵抗異常点(10Ωm)を図1のように設定した比抵抗数値モデルを、電極間隔1mの平行2測線で探査した結果を3次元解析すると,異常点は測線の真下に無くてもほぼ正しい位置に検出できるが,右側測線の反対側に虚像が形成され、比抵抗値は周辺の値に強く影響されて算定される(図2-a)。現場での解析結果では注意する必要がある。
  2. 比抵抗数値モデルにおいて、平行に設置する測線の間隔を変えて誤差の数値実験を行った結果、電極間隔が1mの場合、測線間隔が5mを超えた時に誤差の割合が増加し、10mを越えると誤差の割合が急激に増加する(図3)。このため、平行に測線を設置する場合は、電極間隔の10倍程度を測線間隔の目安にすることが有効である。
  3. 数値実験において、直交して測線を設置した場合、測線端で囲まれる領域の下において最も正確に対象物の位置・形状・比抵抗値を解析することができる(図2-b)。従って、探査対象物の形状把握するために、図2-aの偽像の中心に直交測線を設定するなど、平行測線以外にこれらと直交する測線が必要である。
  4. 以上の検討から、3次元電気探査法における合理的な測線配置法として、比抵抗異常の位置が分からない場合は、まず、測線を全体的に平行に設置し、ある程度の位置を特定した場所に直交する測線を追加して解析を行うことが有効である。
  5. シラス台地上で実施した地下水涵養試験における、本方法による比抵抗モニタリングの測線配置と2次元解析結果を図4に示す。涵養池は12m×13mと12m×10mの2箇所である。浸透現象を1m電極間隔で測定する場合を計画し、平行測線間隔は12mおよび13mである。図4は涵養開始前の比抵抗値に対する比抵抗変化率を示している。本方法では測定点数が多大にならないので、反復測定により涵養による浸透状況の経時的変化を簡易に把握することが可能である。
成果の活用面・留意点調査計画を行う行政担当者や現場技術者は、本手法により、必要な位置のみに最低限の測線を設置することができ、現地作業における時間やコストを低減できる。
具体的データ
図1 数値実験での比抵抗モデル
図2 数値実験での逆解析結果(-4m平面)
図3 数値実験での平行測線の測線間隔と測線間の断面の誤差(電極間隔1m、電極配置:2極法+4極法)
図4 涵養開始5~8時間後の比抵抗変化率(シラス台地における地下水涵養試験の比抵抗変化率の2次元解析、4極法)
予算区分交付金研究
研究期間2006~2008
研究担当者井上敬資、古谷保、山田康晴、川本治、中里裕臣
発表論文1) 井上ら(2008)物探講演論文集、119:143-1462) 中里ら(2007)物探講演論文集、117:173-176
3) 井上ら(2008)物理探査、61(4):313-321
発行年度2008
収録データベース研究成果情報

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