農業研究投資の社会的最適性

農業研究投資の社会的最適性

タイトル農業研究投資の社会的最適性
要約農業研究投資の効果は農産物供給曲線の右方へのシフトとなって現われる。このとき、他の条件一定の下で農産物価格は低下し、分配される余剰が変化する。現在追加的な研究投資は、わが国の生産者余剰を減少させ、消費者余剰を増加させる。
担当機関農業総合研究所 経済政策部 需要研究室
連絡先03-3910-3946
区分(部会名)農林水産政策
区分(部会名)農業経済
専門経済政策
分類研究
背景・ねらい農業試験研究が、企業の研究開発と異なる点は、後者が研究開発の
便益を専有しようとするのに対し、前者がそれをできるだけ、多く
の経済主体に流布させようとするところにある。その場合、開発技
術の直接的な利用者である農家が便益の享受者であることはもちろ
んであるが、研究開発の費用を負担する消費者もその中に含まれる

成果の内容・特徴
  1. 分析はまず、消費者余剰、生産者余剰、社会的厚生を技術知識スト
    ックの関数として定義し、追加的なストックが各々の余剰にどのよ
    うな影響を与えるかを見定めた。その結果、各経済主体の余剰の極
    大点を与える技術知識ストックの水準が、三者で一致していないこ
    とが確認された。
  2. 計測の全期間にわたり、消費者余剰は農業試験研究への追加的な投
    資によって増加する。また1970年代半ばまで、生産者余剰も追加
    的な投資によって増加する。すなわち、この時期、研究投資の水準
    はパレート最適を満たしていない。ところが、1970年代半ば以降
    、農業試験研究への追加的な投資は、農業生産費を低下させる以上
    に農業物価格を低下させるから、生産者余剰は減少する。
    (図1)
  3. 研究開発によって実現する農業の技術進歩は、農業物の供給曲線に
    下方にシフトさせる。そのシフト率は、1960年から80年までの年
    率換算で2%を幾分上回る程度である。しかしながら、1980年から
    87年までの期間で、その値は1%程度まで低下した。
    (表1)
成果の活用面・留意点本分析の試算は農業物の需要曲線のシフトを考慮していない。つま
り、農業物価格は需給均衡によって決定する仮想値であって、実際
の価格と分けて考える必要がある。
具体的データ
(図1)
(表1)
予算区分経常
研究期間1993~1993
発表論文農業研究投資の社会的最適性、農業総合研究所研究叢書、第115号、1994
発行年度1993
収録データベース研究成果情報

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