農業機械銀行方式による担い手の育成と地域的な農地利用体制の形成

農業機械銀行方式による担い手の育成と地域的な農地利用体制の形成

タイトル農業機械銀行方式による担い手の育成と地域的な農地利用体制の形成
要約現在の地域農業の組織化問題は、(1)受委託の属人的な関係からの組織化と農地の地域的な合理的な利用による(2)属地的な関係からの組織化が求められており、さらにその再調整によって、新たな地域農業生産構造へと再編する問題として具体的に課題提起されている。このような組織化と農業構造再編の過程をトレースした。
キーワード地域農業の組織化、地域農業生産構造、農業構造再編
担当機関農業総合研究所 農業構造部 農村組織研究室
連絡先03-3910-3946
区分(部会名)農林水産政策
区分(部会名)農業経済
専門経済構造
分類行政
背景・ねらい現在の農業生産の組織化は、農地の所有と利用の関係を分離させて、地域農業生産構造の再編すなわち担い手の形成と農地の合理的な利用の双方の組織化を同時に図ることが求められている。したがって受委託の属人的な関係とともに農地利用の属地的な関係での組織化が要請されており、本稿では、農作業、農業経営の受託者の組織化の過程と農地の地域的な利用秩序の関係の形成過程を愛知県幸田町を事例にトレースした。
成果の内容・特徴
  1. 幸田町農協では、受託者を組織化するために昭和40年代はじめに幸田町農協農作業信託部会を設立、48年4月に規約を定めた。47年に西三河南部地域農業機械銀行の設立に参加、56年10月に独自の農業機械銀行を設立した。そして新農業機械銀行育成事業に引き継ぎ(61~63年)、現在は、農協の農業機械銀行として運営している。この農業機械銀行が転作麦・大豆の栽培契約と稲作の防除の作業を受託しており、その他の稲作の作業は受託者が個別に受託している(表1)。
  2. 昭和58年度から集団転作を開始した。転作配分は、全町を1地区とした一括配分が農協になされており、全町を対象とした互助制度によって地域輪作農法の確立を目指している。農協に幸田町農協営農推進協議会を組織して、転作配分(転作団地の設定)と農作業の委託契約が農作業信託部会(農業機械銀行)と結ばれている。信託部会員は12名でうち転作受託者は10名、転作の飼料作については肉牛組合と契約している。
  3. 新たな農地利用調整が試みられている。平成元年度から稲作については品種の統一を全町を対象にして開始した。また農協は、合理的な作業方法を基盤整備した大型圃場における農作業、農業経営の受託の面的集積を図ることによって試みた。また、農家の労働力の保
    有状態の多様化、農家の要望の多様化から、集落農家による集団委託と集団受託による新たな「集“楽”営農」として試みた。さらに経営受託の面積集積を圃場整備を契機にして、換地までの間の処置として工区が主体となって実施している(図1、2)。
成果の活用面・留意点安定兼業地帯における、しかも早朝から受託者の組織化と育成を図ってきた事例であり、その適用に当たってはこれらの条件を考慮する必要がある。
具体的データ
表1
図1
図2
予算区分経常研究
研究期間1989~1992
発表論文農業機械銀行方式による担い手の育成と地域的な農地利用体制の形成─愛知県幸田町─, 農総研季報, No.17, 1993.
発行年度1993
収録データベース研究成果情報

研究成果情報アクセスランキング

Copyright 2017 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat