温州みかん高品質化生産の動向

温州みかん高品質化生産の動向

タイトル温州みかん高品質化生産の動向
要約高品質みかん生産に向けた取組みでは,トータルシステムとしての産地機能が求めらており,特に生産段階では品種選定や栽培方法,集出荷場段階では糖度検査に重点が置かれている。今後ともこうした産地活動が活発化することが見込まれる。
担当機関農業総合研究所 農業構造部 生産構造研究室
連絡先03-3910-3946
区分(部会名)農業経済
区分(部会名)農林水産政策
専門経済構造
分類行政
背景・ねらい昭和40年代から50年代前半にかけ温州みかんの果実平均に対する相対価格は,低下傾向にあったが,50年代後半から上昇傾向に転じている。また,温州みかんの果実全体に対する供給シェアは50年前後の40%台から,平成期には20%台にまで低下している。そうした中で,近年,温州みかん生産をめぐる状況は,高品質を指向する産地の取り組みが活発化している。本研究では,かかる温州みかんの高品質生産に焦点を当てながら,温州みかん生産の現段階的性格を明らかにし,あわせて今後の展開方向について考察した。
成果の内容・特徴
  1. かつて低価格・大量消費型の代表品目(大衆果実)と位置づけられていた温州みかんも,消費量が減少する中で,高品質化生産を模索する動きが顕在化しつつある。みかんにおけるこうした対応は,近年果実全体の価格水準を押し上げる主要な動因ともなっている(図1)。みかんの高品質生産は,一義的には高糖度の追求にあるが,これには,高糖度に対するプレミアム価格形成が背景となっている。市場での調査によれば,平成5年産の東京市場の場合で,糖度10度のみかんが100円/kgであるのに対して,13度では350円,16度では800円程度の卸売価格となっている実態が確認された。
  2. したがって,産地段階における高品質生産の取組み方向としては,高糖度を基本とする食味評価基準に基づく生産が指向されている(図2)。より具体的には,園地段階では,ア)高糖度系品種の選定,イ)マルチ栽培等新たな栽培方法の採用,ウ)糖度検査に基づく園地指定,集出荷場段階では,ア)糖度等内容検査,イ)外観検査(階級・等級)が,出荷・流通段階では,ア)市場選定,イ)ブランド化,といった対応が行われている。そして,これら園地段階から始まる一連の生産・流通の取り組みはそれぞれの産地条件にそって有機的に組み合わされて行われている実態が明らかとなった。
  3. 以上のような高品質生産をめざした生産・流通をめぐる産地活動は,県レベルでの行政支援を受けながら,一層活発化することが見込まれ,その核となる農協の重要性が増大している。また,内部品質の非破壊自動選別機の導入により,高品質生産が助長されることが予想され,この面からも新たな産地対応が求められている。
成果の活用面・留意点高品質生産に向けた主要産地の具体的な取組み実態を紹介した成果であり,一部の県では普及員研修資料として活用されている。あくまで基礎的な知見を提供するものであり,具体的な産地の運営は個々の産地条件に即して行われる必要がある。
具体的データ
(図1)
(図2)
予算区分一般別枠[収穫後生理]
研究期間1994~1994
発表論文温州みかん高品質化生産の動向,農業総合研究,第49巻第3号,1995
発行年度1995
収録データベース研究成果情報

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