整備圃場の基盤沈下の指標としての粒径組成

整備圃場の基盤沈下の指標としての粒径組成

タイトル整備圃場の基盤沈下の指標としての粒径組成
要約 中山間整備圃場の基盤沈下は、盛土部分を中心に発生することが多い。その沈下程度は下層土の粒径組成と密接な関係にあり、粘土含量が少ないほどまた砂含量が多いほど著しくなる。このことから、粒径組成は圃場整備の際の重要な指標となる。
担当機関四国農業試験場 地域基盤研究部 基盤整備研究室
連絡先0877-62-0800
区分(部会名)四国農業
専門農村整備
研究対象農業工学
分類研究
背景・ねらい
一般に条件不利地域として位置づけられている中山間傾斜地において、多様な地域条件に対応した地域資源活用技術を開発し地域の活性化を図るためには、生産の基盤となる農地がより利用しやすく整備され、十分に管理されていることが不可欠となる。しかしながら、整備した圃場の基盤が沈下し、作物生育や機械作業等に大きな影響を及ぼしている場合が見られ、圃場整備上の大きな問題となっている。
そこで、中山間地域における整備圃場の基盤沈下の実態と特性を明確にし、中山間圃場整備事業の推進に資することを目的としている。
成果の内容・特徴
  1. 香川県、愛媛県、高知県の12の整備圃場を対象に圃場基盤の沈下状況を調査した結果、多くの圃場で基盤の沈下が見られる。香川県の例では、圃場の西半分で基盤が低
    くなり、畦畔もこの付近で大きく下がっている(図1)。
  2. 基盤の深さが、盛土側で低くなる傾向があり、基盤の沈下は土を盛って形成される盛土側で生じやすい(図2)。
  3. 基盤深さのばらつき(標準偏差)で表す基盤の沈下は盛土部分の土性(粘土[粒径2μ以下]含量、砂[粒径20μ以上]含量)との間に強い相関関係にあり、粘土分が減少しほとんど砂分のみになると基盤の沈下が大きくなり、粘土と砂が混ざり合うにつれ  て沈下の程度が小さくなる(図3、図4)。
  4. 粒径のばらつき程度を表す均等係数と基盤の沈下程度の間にも強い相関関係があり、均等係数が小さくなり土の粒径組成が単一粒径に近づくほど基盤の沈下が生じやすくなる(図5)。
成果の活用面・留意点
  1. 中山間地域の圃場整備設計基準などの面に活用できる。
  2. 今後、重粘土、火山灰土壌などの土壌についても検討していくことが必要である。

具体的データ
図1
図2
図3
図4
図5
予算区分総合研究(農村経済活性化)
研究期間1999~1999
研究担当者井上久義、細川雅敏、内田晴夫
発表論文整備圃場における基盤不陸の発生状況の把握、第53回農業土木学会中国四国支部 講演会講要,106-108, 1998切盛土量の大きい圃場における沈下を考慮した表土厚の確保について、平成 9年 度水田整備基礎諸元調査報告書(日本農業土木総合研究所)、169-203, 1998切盛土量の大きい圃場における沈下を考慮した表土厚の確保について、平成10年 度水田整備基礎諸元調査報告書(日本農業土木総合研究所)、175-233, 1999
発行年度1999
収録データベース研究成果情報

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