湧水を利用した花き等の低コスト冷房育苗装置

湧水を利用した花き等の低コスト冷房育苗装置

タイトル湧水を利用した花き等の低コスト冷房育苗装置
要約開発した装置は、湧水を取水・ろ過・貯水したのち、落差を利用して育苗ハウス内に送水し培地を冷却できる。安定した低水温が得られるため冷房コストが低減でき、中山間傾斜地の高温期における花き等の低コスト苗生産が可能になる。
担当機関四国農業試験場 総合研究部 総合研究第2チーム
連絡先0877-62-0800
区分(部会名)四国農業
専門資源利用
研究対象花き類
分類普及
背景・ねらい
農業生産力の低下した中山間傾斜地においては、野菜・花き等の集約的生産による振興を図るために、湧水や昼夜温較差等の未利用資源を効率的に利用した低投入型生産技術の開発が必要である。そこで、傾斜地域に豊富な湧水を利用し、高温期に高品質苗を低コストで生産できる育苗装置を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 供給する湧水に異物が混入するのを防ぐため、小石を詰めた簡易な取水箱を通して取水する。一次タンクで砂等の固形物を沈殿させ、さらに木の葉等のゴミは二次タンク入口ろ過網で除去する。水量調節バルブで二次タンクを常に満水に保つよう調節し安定した水量をハウスに供給する(図1)。
  2. タンクから育苗ハウスまでは落差を利用して送水する。配管は温度変化を小さくするため土中に埋設するか水道用の保温筒等を巻く。
  3. ハウスの床面はコンクリート舗装または止水シートを敷き湧水を深さ5cmで溜める。床面積1m2当たり流量0.2~0.3?/分で供給し、余剰水は速やかに排水する(図1)。
  4. 湧水プール内には、簡易な育苗ベッドを置き、その中にセル成型トレイを並べる(図2)。ベッド内は培養液を満たし湧水で冷却する。培養液の温度上昇は最高でも25℃以下にとどまる。
  5. 育苗ハウス内部は2重被覆にし、かつ全体を50~60%の遮光資材で覆う。湧水プールの効果により冷房機の消費電力量が低減する(表1)。
  6. 本装置によるトルコギキョウの5~7月の育苗では、自然換気状態で培地冷却を行うことで9~10月に高品質の切花を収穫できる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 育苗ハウスの湧水プール床面の凹凸は±1cmの範囲におさめ、全体として排水口に向けて緩やかに傾斜させて舗装もしくは整地する。
  2. タンクとハウスとの高低差が5m以下でかつ送水距離が100mを超える場合は、必要な水量を確保するため呼び径が40A規格以上のパイプを利用する。
  3. 本装置は、高温期におけるトルコギキョウ、ラークスパー等の育苗に利用できる。
    山羊の衛生面や,繁殖等について適正な管理を行う。
  4. 冬季の草量不足の補完,ならびに棚田植生の安定化促進のため,牧草類を導入する。

具体的データ
図1
図2
表1
表2
予算区分総合研究(地域総合)
研究期間2000~2001
研究担当者川嶋浩樹、長崎裕司、的場和弘、野中瑞生
発表論文傾斜地ハウスにおける野菜・花き栽培技術の開発-第5報 冷房育苗ハウスへの湧水利用技術の開発,農作業研究34(別1),13-14,1999.3Development of Shallow Pool Nursery System,Proceedings of the International Agricultural Engineering Conference, 459-465, 2000.12 
発行年度2000
収録データベース研究成果情報

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