黒潮計冷水の南下状況とマイワシ再生産指数(稚魚の生残率について)

黒潮計冷水の南下状況とマイワシ再生産指数(稚魚の生残率について)

タイトル黒潮計冷水の南下状況とマイワシ再生産指数(稚魚の生残率について)
要約マイワシ資源は数十年間隔で急激な増大減少を繰り返していることが知られているがその原因は明確でない。房総から東北海域の水温環境とマイワシ稚魚の生残率の解析から両者は極めて高い相関を示すことが判明し、2-3月の水温環境により秋の0才魚群(小羽イワシ)の新規加入群を予測する関係式が得られた。
担当機関茨城県水産試験場 海洋漁業部
連絡先029-262-4158
区分(部会名)水産
専門資源生態
研究対象いわし
分類研究
背景・ねらいマイワシ資源は、数十年間隔で増大減少を繰り返しているがその原因は解明されていない。近年の太平洋系マイワシ資源の減少は、1988年以降新規加入群が激減したためであることが分かっているが、これは稚仔~未成魚期における生残率の低下が原因と推測されている。
年齢別漁獲情報及びコホート計算等により求めたマイワシの再生産指数(1kgの親資源から何尾の0歳魚が漁獲対象として資源加入したかの関係を表す)は、1985~1987年の90~100尾/kgをピークに1988年以降急激に減少し1989及び1990年にはわずか0.3尾となった(図1)。
資源の減少とともに新たに加入する年級群への漁獲依存が高まる中、漁況予測の精度向上を図る上でも新規加入群の予測の精度向上(再生産指数の予測)が求められている。
そこで、漁況予測の精度向上を図り、マイワシの資源変動の原因を推察するため、房総~三陸海域の水温環境とマイワシ再生産指数の関係を検討し、予測に有効と考えられる関係式を得た。
成果の内容・特徴
  1. 1976~1996年のマイワシ再生産指数と房総~三陸海域の表面水温変動を解析し次の仮説を得た。(図1及び2)
    • 黒潮続流北辺部への親潮系冷水の南下補給とマイワシの再生産指数は、極めて高い相関を示し、このことは稚魚の生残りに関しこの海域が重要な役割を果たしていること及び東海~薩南海域で産卵されたマイワシ太平洋系群の稚仔の主な生育の場は房総~常磐沖海域の黒潮続流北辺部の混合域である可能性が高いことを示している。
    • 親潮系冷水の南下とマイワシ再生産指数の関係は、2~3月における相関が高く、これは稚魚の発生初期にあたっており、この時期に栄養豊富な親潮系冷水の南下補給混合が多いか少ないかでマイワシ稚仔の生残率は大きく変化している可能性が高い。
    • 親潮系冷水は、卓越して連続的に大きく南下する年代と、連続的にあまり南下しない年代が交互に生じている。マイワシ資源はこの連続した環境の変化及び生残率の変化に対応し急激な増加と減少を繰り返している。
  2. 前記仮説及び図1関係式(2-3月の北緯37度以南の表面水温10℃以下の面積とマイワシ稚魚の生残り率の関係)を利用することにより、秋季の新規加入群の漁獲予測の精度が向上した。
成果の活用面・留意点より予測精度を高めるよう引き続き検討していく必要がある。
具体的データ
図表
図表
予算区分我が国周辺漁業資源調査
研究期間1995~1997
発行年度1997
収録データベース研究成果情報

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