中央ブロック低次生態系予測モデルの開発について

中央ブロック低次生態系予測モデルの開発について

タイトル中央ブロック低次生態系予測モデルの開発について
担当機関独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所 海洋生産部 小松幸生
連絡先045-788-7648
区分(部会名)水産
背景・ねらい
  • 中央ブロックにおける長期漁海況予報の精度向上を目指し,3ヶ月先の海況と動・植物プランクトン現存量を予測する数値モデルの開発を試みている.
  • モデルは海域に特徴的な冷・暖水塊や黒潮の蛇行を表現できる高解像度の3次元大循環モデルに大小の動・植物プランクトンと栄養塩,懸濁物質など10個の構成要素からなる低次栄養段階の生態系モデルを結合させたものである.
  • 大循環モデルは,衛星海面高度で予測値を逐次補正することにより(随伴法によるデータ同化),現時点では黒潮流路をほぼ1ヶ月先まで再現できる.
  • 黒潮~黒潮続流域に着目すると,多くの場合,動・植物プランクトン現存量の高濃度域は黒潮前線の北縁に沿って分布しており,この傾向は遠州灘沖で蛇行が発達し内側域でプランクトンの大増殖が見られたときに顕著である.そして,続流域では蛇行の峰(谷)の下流(上流)側に位置する収束域でパッチ状の極大値がしばしば見られ,強流域では現存量の変動が現場の生物的増殖効果よりもむしろ移流効果に支配されていることを示した.
  • モデルにより,マイワシ,サンマ等の主要索餌海域である続流域のプランクトン現存量が内側域の現存量に強く影響される点,植物プランクトンの光合成能が種ごとにわずかでも異なると,前線周辺においては黒潮(続流)の流路変動に伴う栄養塩環境の劇的な変動に対して種ごとに応答時間の差が生じるため,その後の現存量,さらにはこれを餌とする動物プランクトンの現存量の変動に種間で大きな差が生じる可能性がある点が示された.
成果の活用面・留意点
  • 生物モデルには多く問題点が残っているが,改良により長期漁海況予報の精度向上に資するものと期待される.
  • モデルは汎用性が高く,予報の目的以外に,地球温暖化に伴う海洋生態系の応答特性の研究や各種プロセス研究などにも利用可能である.
具体的データ
図表
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発行年度2003
収録データベース研究成果情報

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