東京湾奥の人工海浜におけるアサリの分布特性

東京湾奥の人工海浜におけるアサリの分布特性

タイトル東京湾奥の人工海浜におけるアサリの分布特性
担当機関東京都水産試験場 資源管理部 千野
連絡先03-3433-3254
区分(部会名)水産
背景・ねらいねらい:
都民と水辺とのふれあいを目的として造成された人工海浜でのアサリの分布特性を把握し、人工海浜でのアサリ増殖の可能性を探り、アサリを通して都民が親しめる良好な水辺環境の創出をめざす。
成果の特徴:
東京湾奥の代表的な人工海浜であるお台場海浜公園で水質、底質環境を把握し、アサリの生息状況を調査した。2月には干潮汀線上に多くのアサリの発生があり、5月までの成長も認められた。また、港区役所と共同でアサリ種苗の放流を試み、放流貝の2ヶ月後の生残も確認されたが、周年を通しての生残には夏場の低酸素による減耗が懸念される。
[結果の概要]
  • 2003年2月21日の最干潮時にお台場海浜公園(図1)のst.1, 2, 3で水深別にアサリ殻長組成を調べた。分布は、底質が細砂・貝殻質の干潮汀線付近に最も多く、殻長は5mm以下のものが大部分であった(表1)。
  • 2003年5月15, 16日の最干潮汀線の調査では殻長組成のピークは南側のst.1, 2では10~15mm、北側のst.3では5~10mmであり、2月の調査と比較すると地点差はあるものの成長が認められた(表2)。
  • 海浜公園中央部付近の水温、溶存酸素量(DO)、塩分について図2~4に示した。水温変動は、アサリの生存許容範囲内であった。塩分も一時的に15以下となるが、回復がはやくアサリの生理障害を懸念する値を示さなかった。例年、DOのみ夏場に急激な減少があり、2002年9月には8年ぶりのアサリの大量斃死が確認されている。
  • 2003年9月13日に港区と共同で羽田産アサリ400kg(表3)を放流した。放流貝の大部分は殻長20~30mmで公園内の天然貝(表4)より大型であった。
  • 2003年11月11日に地元小学生らの環境学習会を兼ねた採集調査を行ったが、殻長分布は5~10mm(小型貝)と20~30mm(大型貝)にピークが見られた。大型貝の主体は放流個体と考えられるので、2ヶ月後の生残が確認された(表5)。
成果の活用面・留意点天然アサリの生息状況が把握され、港区役所との共同調査により放流貝の生残が確認されたこと等から、お台場、葛西、城南島の各海浜公園で潮干狩りが行われるようになった。また、放流効果調査は地元小学生らの環境学習会を兼ねて実施され、都民が水辺に親しむ場を提供することができた。
具体的データ
図表
図表
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発行年度2003
収録データベース研究成果情報

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