東シナ海における植物プランクトンに対する動物プランクトンの摂食圧

東シナ海における植物プランクトンに対する動物プランクトンの摂食圧

タイトル東シナ海における植物プランクトンに対する動物プランクトンの摂食圧
担当機関独立行政法人水産総合研究センター西海区水産研究所 東シナ海海洋環境部 高次生産研究室
連絡先095-860-1621
区分(部会名)水産
背景・ねらい従来、海洋低次生態系において、植物プランクトンの基礎生産はカイアシ類を中心とする中型動物プランクトンを経由して高次の生物に利用されていく食物網が重要であると考えられてきた。しかし近年、原生動物プランクトンを中心とする微小動物プランクトンが植物プランクトンやバクテリアを利用する微生物食物網が卓越するという事実が沿岸域や亜寒帯外洋域において報告されるようになった(図1)。
本研究は東シナ海の中型動物プランクトンおよび微小動物プランクトンの摂食速度を測定し、動物プランクトン群集による基礎生産の利用実態を把握することを目的とした。
(注:微小動物プランクトン:200μm以下の動物プランクトンの総称。中型動物プランクトン:200μm~2mm程度の動物プランクトンの総称。)
成果の内容・特徴西海区水研漁業調査船・陽光丸による調査航海(2003年7月、10月および2004年2月)において、動物プランクトンの摂食率を、船上で現場の環境を再現した擬似現場法により測定した(図2)。摂食率は、植物プランクトンの対数増殖を仮定して、実験前後のクロロフィルの変化率を基に計算した。
植物プランクトンの最大増殖率(μmax)および微小・中型動物プランクトンの摂食率(それぞれgmicro、gmeso)は2月に最低値、7月に最高値を示した(図3)。また、μmaxおよびgmicroは海盆域で高い傾向にあるのに対し、gmesoは陸棚中央域で高い傾向にあった(図3)。
本研究により得られた動物プランクトン群集の植物プランクトン生産に対する摂食圧は微小動物プランクトンで71~133%、中型動物プランクトンで3~9%であり(図4)、いずれの月も微小動物プランクトンの摂食圧が一桁以上高く、東シナ海における微生物食物網の重要性が強く示された。
成果の活用面・留意点微小動物プランクトンの摂食圧が高いことが明らかとなった。今後は、微小動物プランクトンに利用された基礎生産がどの程度高次段階の生物に伝達されているのか、あるいは利用されていないかを明確にする必要がある。このことは魚類資源による基礎生産の利用効率を知る上で重要な要因になる。
具体的データ
図表
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予算区分一般研究
研究期間2001~2005
研究担当者西内 耕、木元克則
発表論文動物プランクトンの代謝・摂餌に関する船上実験手法(第57回西日本海洋調査技術連絡会議議事録)東シナ海における動物プランクトン群集の摂食構造(2004年度日本海洋学会秋季大会講演要旨集p.212)
発行年度2004
収録データベース研究成果情報

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