北太平洋中央部における表層水塊構造

北太平洋中央部における表層水塊構造

タイトル北太平洋中央部における表層水塊構造
担当機関独立行政法人水産総合研究センター遠洋水産研究所 海洋研究グループ
連絡先045-788-7697
区分(部会名)水産
背景・ねらい近年,浮魚類の資源変動と北太平洋中央部,とりわけ黒潮続流周辺海域における水温場の変動に密接な関係が存在することが明らかとなってきた.このことは,黒潮続流周辺海域が北太平洋における気候変動機構のキーエリアであるだけでなく,重要な水産資源の変動機構にとってもキーエリアであることを示唆している.本研究は,このような重要な海域を詳細に観測し,浮魚類にとっても,大気海洋相互作用にとっても重要な表層水塊の構造を調べることを目的とする.
成果の内容・特徴2003年,2004年春季に,黒潮続流の北側に位置する黒潮・親潮混合水域における詳細な海洋観測を行った(図1).その結果,亜寒帯前線の南側の26.5-6σθ面に重い中央モード水(D-CMW),黒潮分枝前線の北側の26.3-4σθ面に軽い中央モード水(S-CMW)と呼ばれる鉛直密度勾配極小層(層厚な水=低渦位)をもつ2種類の水塊を捉えることに成功した(図2).この水塊は,相当する密度における塩分の重力的不安定成層のために,低渦位であるにもかかわらず水温,塩分に鉛直構造が存在する(図3).中央モード水は冬季の冷却による深い鉛直混合によって形成されると考えられているので,水塊特性は著しい鉛直一様性を持つはずである.しかし,観測された水温・塩分の鉛直構造には成層がみられ,その形成過程は冷却による鉛直混合だけでは説明できない.すなわち,密度に対する水温・塩分の寄与が相殺されるような機構,たとえば形成時における海面密度フラックスの変化や,大気との接触を絶った後の等密度面混合などの過程が考えられ,表層水塊形成過程の新たな理解に寄与する.
成果の活用面・留意点中央モード水のような表層水塊の形成・変質過程の理解が進めば,黒潮続流周辺海域の水温がどのように決定されるかという機構の理解へつながる.表層水塊の理解は,大気海洋相互作用と気候変動に対する理解,ひいては重要水産資源の変動機構への理解の端緒となる.
具体的データ
図表
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予算区分運営費交付金
研究期間2005~2005
研究担当者植原 量行
発表論文植原 量行,他(2004):北太平洋中央部における鉛直密度勾配極小層の分布と構造.2004年度日本海洋学会秋季大会講演要旨集p14.その他 3編.
発行年度2005
収録データベース研究成果情報

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