有明海湾奥西部サルボウ漁場における微細気泡噴流式底質改善装置による底質改善

有明海湾奥西部サルボウ漁場における微細気泡噴流式底質改善装置による底質改善

タイトル有明海湾奥西部サルボウ漁場における微細気泡噴流式底質改善装置による底質改善
担当機関独立行政法人水産総合研究センター西海区水産研究所 東シナ海海洋環境部 生物環境研究室
連絡先095-860-1622
区分(部会名)水産
背景・ねらいサルボウ資源の減少の影響は単に水産業のみならず有明海の生物浄化機能の喪失の観点でも極めて重要な問題である。このような問題への抜本的な対策として佐賀県鹿島沖サルボウ漁場周辺海域において漁船搭載型の曳航式微細気泡噴流装置Micro Bubble Jetter(MBJ)の適用性を検討した。
成果の内容・特徴使用したMBJは、吸水用ストレーナー、エンジンユニット、およびノズルユニットで構成され、エンジンユニット、およびノズルユニットの仕様・規格は図1のとおりである。本装置はポンプアップした上層水に微細気泡を混入し、約2ノットでノズルユニットを曳航しながら堆積物表層へ微細気泡混入の水流を吐出させる構造である。
佐賀県浜川河口のサルボウ漁場周辺海域に3実験区域を設置、これを2分し、一方を試験曳航区、他方を非曳航区(対照区)とした。本機器を曳航区で2004年7月から9月の間に計5日間(曳航時間;延べ17時間)曳航した。本機器の曳航により、酸化還元電位(Eh)が対照区に比較して100~200mV上昇するとともに(図2)、酸揮発性硫化物(AVS-S)濃度は8月23日以降0.1~0.2 mg/gDW低下した(図3)。また、炭素・窒素・リン濃度についても、曳航区で低下が認められた。曳航区の底生動物は、非曳航区の3倍の種類数、4倍の個体数が確認され(図4)、本手法が底質環境の改善に有効であることが実証された。
成果の活用面・留意点本報告で紹介したMBJは、従来の海上に設置する大規模なエアレーション装置に比較して、
  1. 悪化した底質中に直接、マイクロバブル(微細気泡)を注入し、底質改善を改善する。
  2. 構造が単純で耐久性が高い(取り扱いや維持管理が簡単である)。
  3. 曳航式で安価であることから装置を多数の漁船に搭載し、漁業者自らの努力により、経済的に広範囲の底質改善と貝類資源の保護が可能となる。
などの優れた特徴を持っている。今後は、サルボウの生残効果の検証を行うともに、機器の改良と実用化マニュアルの作成に向けての検討を行う予定である。
具体的データ
図表
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予算区分水産庁委託事業(貧酸素水塊漁業被害防止対策)
研究期間2004~2007
研究担当者岡村和麿、田中勝久
発表論文微細気泡噴流装置による有明海奥部サルボウ漁場の底質改善試験(第4回漁港・漁場整備技術研究発表会講演集)有明海湾奥西部サルボウ漁場における微細気泡噴流式底質改善装置(Micro Bubble Jetter)の効果試験(2005年度日本水産学会講演要旨集 p.288)
発行年度2005
収録データベース研究成果情報

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