超音波発信器を用いたサクラマスのスモルト降河行動並びに親魚遡上行動の追跡

超音波発信器を用いたサクラマスのスモルト降河行動並びに親魚遡上行動の追跡

タイトル超音波発信器を用いたサクラマスのスモルト降河行動並びに親魚遡上行動の追跡
担当機関さけます研究部環境 生態研究室
独立行政法人水産総合研究センターさけますセンター(本所)
区分(部会名)水産
専門資源生態
研究対象さけ・ます類
分類研究
背景・ねらい
サクラマスは資源の主要な部分を自然再生産に依存しているにもかかわらず,遡上親魚数,降海幼魚数をはじめ,自然産卵の実態,降海生態など,自然再生産の維持回復に必要となる情報が不足している。そこで,新たな調査機器を導入し,スモルトの降河生態並びに親魚の遡上生態の把握を試みた。

成果の内容・特徴個体識別式の超音波発信器を用いて,スモルトの降海行動および回帰親魚の遡上行動の追跡を行った。スモルトの降海行動追跡では,供試魚の腹腔内に発信器を埋め込み,斜里川河口から約18km上流に位置する斜里事業所から放流し,降河状況の追跡を行った。受信機は上流域(St.1: 河口から約14km),中流域(St.2: 河口から約7km),および河口域(St.3)に各2台設置するとともに,河口周辺の沿岸定置網2個所(St.4-1, St.4-2)に各1台設置した(図1)。放流した30尾中11尾の行動が記録された(図2)。11尾のうち7尾は河口のSt.3で記録され,河口までの平均移動速度は約2.8km/日であった。この7尾のうち3尾は沿岸のSt.4-1で記録されたあとSt.4-2でも記録されていた。このことから,斜里川のスモルトは降海後一旦西進し,その後知床半島側へ東進する行動が示唆された。親魚の遡上行動追跡では,徳志別川に回帰した親魚5尾(オス4尾、メス1尾)の背鰭前端に発信器を固定し,徳志別川へつながる蓄養池に放流した。受信機は蓄養池(St.0),本流下流部(St.1~3),本流中流部(St.4~5)および支流オフンタルマナイ川(St.6~7)に設置した(図1)。放流した全ての個体の行動が記録され,3尾は本流を遡上し,2尾はオフンタルマナイ川へ遡上した(図3)。親魚の遡上行動には,放流直後に上流に向かうものと放流から約10日後の降雨増水時に遡上した2パターンが認められた。St.3までの遡上は比較的短時間で行われ,その平均移動速度は約1.2km/hであった。また,受信機を設置した淵での滞留は比較的短時間であった。

成果の活用面・留意点
スモルトの降河回遊生態と減耗要因の特定,自然再生産の助長をめざした親魚の産卵遡上生態の解明や遡上障害の特定に向けたシステムの活用。受信機,発信器の数により得られるデータ量,精度が左右されるため,多くの機器の利用が鍵。


具体的データ
図1
図2
図3
予算区分交付金
研究期間2006~2006
研究担当者大熊一正
発表論文未発表
発行年度2006
収録データベース研究成果情報

研究成果情報アクセスランキング

Copyright 2017 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat