藻場生産力モデルを使って内湾域の生産環境を評価する

藻場生産力モデルを使って内湾域の生産環境を評価する

タイトル藻場生産力モデルを使って内湾域の生産環境を評価する
担当機関独立行政法人水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所 生産環境部 藻場
区分(部会名)水産
専門生物生産
研究対象ほんだわら
分類研究
背景・ねらい
大型褐藻類のホンダワラ類で構成されるガラモ場は、瀬戸内海を含む西日本沿岸域の主要な藻場である。

近年、漁業生産における沿岸域の重要性が認識され、沿岸生態系の重要構成要素である藻場の機能についてより精緻な評価が求められている。また、近年、温暖化が要因と見られる環境変化や水質の悪化による藻場の衰退が各地で報告されており、今後の拡大と生態系への影響が懸念されている。このような観点から、海洋環境の変動が藻場一次生産に及ぼす影響を予測・評価する技術が必要である。本研究では、群落光合成理論に基づく藻場一次生産力モデルを構築し、広島湾の水質の変動などに伴うガラモ場の一次生産力の変化を明らかにした。

成果の内容・特徴・ 瀬戸内海のガラモ場の主要種であるノコギリモクの群落について、現存量・生産構造(光合成器官である葉の分布など)・群落内外の光環境のモニタリングや、光合成の測定等を行い、光のパラメータの変化に対応した一次生産力モデルを構築した(図1)。

・ 上記モデルでは、湾央部の本種の成長期の群落(水深5m)の1日あたりの生産量は、約1.5gCm-2d-1と見積もられた。この値は、現存量法により推定した日間純生産量の値(1.8 gCm-2d-1)と近似しており、妥当であると考えられた。このモデルにより、天候や分布水深の違い、海水の濁り、藻体上への浮泥の沈積などによる藻場の一次生産力の変化の評価が可能となった。

・ 上記モデルにより、広島湾の水質(吸光係数)分布に伴う、ガラモ場の一次生産の変化を試算した。湾奥域の生産力は湾口域の20%程度であり(図2)、湾奥域では群落の安定的な維持は困難と考えられた。

成果の活用面・留意点
温度のパラメータに対応できるようモデルを改良することにより、温暖化による海洋環境の変化に伴う藻場生態系の反応を予測することが可能となる。また、炭素をはじめとする沿岸域の物質循環モデルに組み込むことにより、沿岸域の物質循環機構の解明に資することが出来る。


具体的データ
図表 <a href="/media/chart/0000617676/0000062607" class="icon_pdf">PDFファイル</a>
予算区分一般研究
研究期間2001~2005
研究担当者吉田吾郎、寺脇利信(水研センター本部)、村瀬昇(水産大学校)
発表論文藻類,52,126 (2004).
発行年度2006
収録データベース研究成果情報

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