ブルーギルによるモツゴへの影響は仔魚期に最も大きい

ブルーギルによるモツゴへの影響は仔魚期に最も大きい

タイトルブルーギルによるモツゴへの影響は仔魚期に最も大きい
担当機関独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所 内水面研究部 資源生態研究室
区分(部会名)水産
専門生態系
研究対象他の淡水魚
分類研究
背景・ねらい
ブルーギルの定着・個体数増加にともない在来魚が減少している。これは、ブルーギルが在来魚と餌をめぐって競争したり、在来魚を直接食べることによって、在来魚に影響を与えているためと考えられている。多くの状況証拠は得られているものの、在来魚を減らすメカニズムまで検討した研究例はほとんどない。そこで、在来魚のモデルとして卵を保護するモツゴを用いて、ブルーギルによる様々な影響を実験的に明らかにした。

成果の内容・特徴60cm水槽で両種の行動を観察した結果、体の大きさに関係なく、モツゴの方が攻撃的に優位であった(図1)。次に、野外池に32個の隔離された生け簀(図2上、1.1m×1.1m×0.8m)を設置し、4週間にわたってブルーギルとモツゴの餌をめぐる競争関係を調べたところ、両種間の餌をめぐる競争はあまり強くないことが示された(図3)。45cm水槽(図2下)で行った実験では、ブルーギルが存在してもモツゴ卵の生き残りは低下しなかった(図4上)が、その仔魚は一尾も生き残ることが出来なかった(図4下)。これは、ふ化後、仔魚がモツゴ雄の保護から離れて遊泳し始めるのに対し、卵はふ化までモツゴ雄により守られているため(図2下)であった。これらことから、ブルーギルが在来魚のモツゴへ影響をおよぼすメカニズムとして、餌をめぐる競争や干渉行動の影響は小さく、また卵に対する捕食圧も小さかったが、ふ化仔魚への影響は極めて大きいことが明らかとなった。

成果の活用面・留意点
・ブルーギルの影響過程を示した本事例を考慮することにより、野外での影響予測の精度向上が見込まれる。

・ブルーギルによるモツゴへの影響過程が明らかにされたことにより、ブルーギル存在下で在来魚のモツゴを共存させる条件が検討可能となった。


具体的データ
図1 ブルーギルとモツゴの間の攻撃回数
図2 実験施設の写真
図3 隔離された生け簀におけるモツゴの成長率
図4 モツゴだけの実験区とブルーギルを投入した実験区におけるモツゴ卵(上)と仔魚(下)の生き残り。投入したブルーギルは1から5尾
予算区分水産庁
研究期間2002~2006
研究担当者坂野 博之、資源生態研究室、中央水産研究所、内水面研究部
発表論文坂野 博之・淀 太我 2004. ブルーギルLepomis macrochirusの餌選択性-動物プランクトンについて. 日本水産学会誌 70: 313-317.
発行年度2006
収録データベース研究成果情報

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