アミメノコギリガザミのDNA鑑定

アミメノコギリガザミのDNA鑑定

タイトルアミメノコギリガザミのDNA鑑定
担当機関独立行政法人水産総合研究センター西海区水産研究所石垣支所 資源増殖研究室
区分(部会名)水産
専門増養殖技術
研究対象甲殻類
分類研究
背景・ねらい
アミメノコギリガザミの種苗生産では天然で交尾したと思われる成熟雌を野外で採集して親ガニとし,飼育下で産卵・ふ化させ,幼生を稚ガニまで育成する.このため種苗の父親,すなわち親ガニの交尾相手の雄の数については不明である.そこで,本研究では高感度マイクロサテライト(MS)DNAマーカーを用いて,天然の交尾済み雌とその子供から交尾相手の雄(父親)の数を推定した.また,天然から雄と未成熟雌を採集し,飼育下で雌雄1対1(1×1)で交尾,産卵させ,ふ化後の親子の遺伝性,同一親の産卵ロット間および同一ロット内のステージ間の遺伝的変異性について調べ,放流効果調査に適用できるDNA鑑定試験について検討した.

成果の内容・特徴天然から採集した交尾済みの雌,貯精嚢の精子,ふ化幼生からDNAを抽出し,MSマーカー多型解析を行ったところ,幼生と母親の遺伝子型をもとに父親の遺伝子型を推定することができた.母親由来のアレル以外のアレルの遺伝性を検討し,また貯精嚢の精子のDNAと照合した結果,幼生の父親は1個体であると推定された(図1).また,飼育下で1×1の子供を生産し,同じ親から生まれた一番仔と二番仔のゾエア1期(Z1)幼生を比較したところ,産卵時期(ロット)間の差はみられず,また同一ロット内での偏りもみられなかった(図2).ふ化後Z5まで飼育できた二番仔ではZ1~Z5の各ステージ内およびステージ間での遺伝的差異はみられなかった.以上の結果から,MSマーカーによる親子鑑定は可能であり,4つのMSマーカーを用いた解析において個体の遺伝子型の重なりが少なかったことから,兄弟間の個体識別も可能であることが示唆された.

成果の活用面・留意点
アミメノコギリガザミは雌が脱皮後の甲殻が軟らかい時に交尾を行うため,交尾相手は1個体である可能性が高く,遺伝的にもそれを示唆していた.

 MSマーカーによる多型解析は親子鑑定に有効であり,マーカー数(遺伝子座数)と供試個体数に依存するが,放流効果調査を行う際の遺伝標識としての利用が期待される.


具体的データ
図表 <a href="/media/chart/0000617742/0000062722" class="icon_pdf">PDFファイル</a>
予算区分文部科学省 科学研究費補助金 若手研究(B)
研究期間2004~2006
研究担当者伏屋玲子
発表論文伏屋玲子(2005)カニのDNA鑑定の試み.おさかな瓦版5,p3
発行年度2006
収録データベース研究成果情報

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