有明海で大量放流したトラフグ人工種苗の産卵回帰について

有明海で大量放流したトラフグ人工種苗の産卵回帰について

タイトル有明海で大量放流したトラフグ人工種苗の産卵回帰について
担当機関長崎県総合水産試験場 漁業資源部 栽培漁業科
区分(部会名)水産
専門増養殖技術
研究対象ふぐ
分類調査
背景・ねらい
 有明海は全国でも有数のトラフグの産卵場で東シナ海資源の補給源として知られている。産卵期には親魚を対象に釣り等で漁獲されているが、漁獲量は1970年代後半に比べると近年は10分の1程度に減少している。このような状況を踏まえ長崎県では種苗放流により資源回復を図ることを目的として、2004年から全長7cmの人工種苗50万尾の標識放流を実施している。本研究では2004年に放流した種苗の有明海産卵回帰の効果を明らかにすることを目的とする。

成果の内容・特徴1、標識放流 

・2004年6月~8月にかけて、適正サイズである全長7cm種苗の全数について外部からの視認性が高い胸鰭切除標識を施し、有明海の島原半島周辺3カ所(島原市、多比良港、諫早湾)に放流した。

2、放流魚の産卵回帰

・2006年の4~5月の産卵期に漁獲された親魚1,189尾を調査した結果、236尾から2004年放流の標識魚が確認された(混獲率:19.8%)。(図1及び2)

・標識魚は、平均全長42(36~46)cm、平均体重1.3(1.0~1.7)kgに成長していた。GSI(生殖腺体指数)は10.4と高く、全ての標識魚で放精が確認された。(図1及び2)。

・2004年放流魚は有明海で漁獲された後は外海域に回遊し、1歳魚で玄界灘を主漁場として延縄により漁獲されていることが明らかとなっていることから、その後成熟して有明海に産卵回帰したものと考えられた。

3、放流効果の推定

・放流効果を推定した結果、回収尾数851尾、回収重量1,157kgとなった。

成果の活用面・留意点
・引き続き追跡調査を実施し、高齢魚まで成長段階別に放流効果や受益割合の解明とこれに基づく関係県による共同放流体制を確立することにより、トラフグ資源回復に向けた広域的・効果的な栽培漁業の展開が可能と考えられる。


具体的データ
図表 <a href="/media/chart/0000617750/0000062730" class="icon_pdf">PDFファイル</a>
予算区分資源を育む長崎の海づくり事業(県単、一部国交付金)
研究期間2004~2006
研究担当者松村靖治
発行年度2006
収録データベース研究成果情報

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