キジハタの種苗生産技術開発

キジハタの種苗生産技術開発

タイトルキジハタの種苗生産技術開発
要約キジハタの種苗生産においては、初期(ふ化~10日齢)の大量減耗が問題になっている。通気を使用せずに水中ポンプで飼育水を攪拌する飼育方法により10日齢での生残率が大きく向上した。その結果、1ton水槽で2,368尾の稚魚を生産し、生残率は17.1%という好成績となった。
担当機関山口県水産研究センター 外海研究部 栽培増殖グループ
連絡先0837-26-0711
区分(部会名)水産
専門飼育環境
研究対象他の底魚
分類研究
背景・ねらいキジハタはその市場価格の高さから県内漁業者からの資源増大要望が非常に強い魚種である。しかし、全国的にも本種の種苗生産は難しく、初期(ふ化~10日齢)の大量減耗が大きいため安定的な大量生産技術が確立しているとは言えない状況にある。

初期の大量減耗の原因として、ふ化から開口(2日齢)までの油球消費に伴う比重増による沈降死及び通気の気泡により物理的衝撃を受けて斃死することが考えられている。そこで、水流環境や通気環境が異なる試験区において仔魚の沈降状況、摂餌状況を調査することでより適した初期飼育方法の検討を行った。
成果の内容・特徴
  • 平成18年7月上旬より、1ton水槽を使用して試験を実施した。一般的な、通気を使用した試験区1、通気を使用せずに水中ポンプの噴水流により飼育水の攪拌を行った試験区2、通気も水中ポンプも使用しない試験区3においてふ化から開口までの沈降状況、開口直後の摂餌状況及び10日齢での初期生残率について比較した。その結果、全ての試験区でふ化後に沈降する傾向が見られ、試験区3では仔魚の沈降割合が最も高かったものの、沈降した仔魚が必ずしも斃死する訳ではなく、開口時には表層へ分布することが分かった(図1)。また、開口日及び開口翌日の摂餌状況については試験区1に比べて通気を使用しない試験区2、3の方が良好であった(図2)ことから、仔魚が開口までに通気により物理的衝撃を受けたことが初期摂餌の際の活力に影響している、若しくは初期摂餌の際に通気が阻害要因になっていることが推測された。10日齢での初期生残率について、試験区2においては44.1%という本県では過去最高の生残率であった。
  • 最も初期生残率が高かった試験区2について飼育を継続した結果、41日齢で平均全長22.6mmの稚魚2,368尾(生残率17.1%)をとりあげた。水槽1tonあたりの生産尾数及び生残率は本県の過去最高の成績であった。
成果の活用面・留意点
  • 水槽1tonあたり2,000尾を超える生産が達成できたことで、大量生産へ向けた事業化への可能性が高まった。
  • 通気を使用しない新たな飼育方法として、その有効性は今後さらに検討する必要があると思われる。
具体的データ
図1
図2
予算区分国庫補助
予算区分県単
研究期間2003~2005
2006
研究担当者南部智秀、山本健也
発行年度2007
収録データベース研究成果情報

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