スパゲティ型タグはアカアマダイの巣穴形成に影響する

スパゲティ型タグはアカアマダイの巣穴形成に影響する

タイトルスパゲティ型タグはアカアマダイの巣穴形成に影響する
担当機関独立行政法人水産総合研究センター宮津栽培漁業センター
区分(部会名)水産
専門増養殖技術
研究対象魚類
分類研究
背景・ねらい
アカアマダイ人工種苗は,全長約75mmからトンネル状の巣穴を形成し,魚が巣穴に逃げ込む行動が観察されている。このことから,放流されたアカアマダイ人工種苗の巣穴形成の成否や形成までに要する日数は,放流後の種苗の生残に深く関係すると考えられる。さらに,スパゲティ型タグ(図1)や鰭切除による標識は,放流したアカアマダイの巣穴形成の行動に影響を与えると考えられ,本種の巣穴形成に及ぼす標識の影響を明らかにすることは,放流技術を開発する上で極めて重要である。

成果の内容・特徴スパゲティ型タグと胸鰭・腹鰭切除標識を施したアカアマダイ人工種苗(全長85~145mm)を用い,底面に泥を敷いた水槽内での掘削行動と各標識による巣穴形成への影響について観察した(表1)。アカアマダイ種苗は標識の有無,種類とは無関係に口を用いて掘削する行動が観察された。巣穴形成は胸鰭切除区で44%(4/9個体),腹鰭切除区で33%(3/9個体),無標識区で44%(4/9個体)であったが,スパゲティ型タグ区は0%(0/9個体)であった(表2)。この結果から,スパゲティ型タグは巣穴形成を妨げることが示唆された。
 放流後のアカアマダイ種苗の生残には,捕食魚から逃避できる巣穴形成の成否が大きく関与すると考えられ,放流されたアカアマダイ人工種苗が,スムーズに巣穴を形成できるような放流手法が望まれる。放流後の生残率を高めるためには,今後,巣穴形成行動を発現させる要因を解明すると共に,サイズ毎に適した標識を選択することが必要と考えられる。

成果の活用面・留意点
・水深数十メートル以上の海底に棲息し,生態学的に未解明な点の多い本種の行動生態の一部が明らかとなった。
・本種の水槽内で行動生態学的研究手法が確立された。
・本種の放流調査方法において,留意すべき点が明らかとなり,今後の標識手法開発のための方向性が示された。


具体的データ
図表 <a href="/media/chart/0000617770/0000062752" class="icon_pdf">PDFファイル</a>
予算区分交付金(一般研究)
研究期間2006~2010
研究担当者升間主計、竹内宏行、中川亨、町田雅春、渡辺税
発表論文町田雅春,竹内宏行,中川亨,渡辺税,升間主計,アカアマダイ人工種苗の巣穴形成に及ぼす標識の影響,栽培漁業技術開発研究第35巻第1号,2007
発行年度2007
収録データベース研究成果情報

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