エゾアワビ当歳貝の生残に及ぼす冬季水温の影響

エゾアワビ当歳貝の生残に及ぼす冬季水温の影響

タイトルエゾアワビ当歳貝の生残に及ぼす冬季水温の影響
担当機関海区水産業研究部 沿岸資源研究室
独立行政法人水産総合研究センター東北区水産研究所
区分(部会名)水産
専門資源生態
研究対象あわび
分類研究
背景・ねらい
 三陸沿岸エゾアワビの漁獲量は天然資源の変動に左右されることから,実効ある資源管理・漁業管理を実施するためには,資源変動機構を明らかにすることが不可欠である。このためには,減耗の著しい発育初期の生残過程を把握し,主要な初期減耗要因を明らかにする必要がある。
 産卵盛期である8月下旬から9月下旬にかけて発生したエゾアワビは,水温の低下が著しくなる翌年1~2月までに殻長2~8 mm程度に成長する。従来,この時期の当歳貝の生残に冬季の水温が影響するものと推察されてきたが,水温がエゾアワビ当歳貝の生残に直接的な影響を及ぼしているかどうかは明らかではない。本課題では,岩手県大船渡市門之浜湾においてエゾアワビ当歳貝の越冬前後における分布密度を比較することにより,この間の生残率と生息場所水温との関係を明らかにした。

成果の内容・特徴 1996~2006年に発生したエゾアワビ当歳貝について,越冬前(12~1月)と越冬後(2~6月)にSCUBA潜水により枠取り調査を実施した。水深6~10 mの岩礁海底に4~11点の2×2mの方形枠を無作為に設置し,枠内に出現した当歳貝個体数から平均分布密度を求めた。越冬前後の平均分布密度の経時変化から各年級群の冬期間における瞬間死亡率を推定した。瞬間死亡率は年によって大きく変動し,2~3月における生息場所の最低水温と極めて強い負の相関が認められた(図1)。特に,当歳貝年級群の瞬間死亡率が高かった年では,親潮系冷水が調査場所に接岸し水温が5℃以下に低下していた (図2)。

活用面:海洋環境とエゾアワビ初期生残との関係が解明され,資源量予測に貢献
成果の活用面・留意点
活用面:海洋環境とエゾアワビ初期生残との関係が解明され,資源量予測に貢献
留意点:産卵から越冬前までの生残過程および主要な初期減耗要因の解明が必要


具体的データ
図表 <a href="/media/chart/0000617784/0000062771" class="icon_pdf">PDFファイル</a>
予算区分運営交付金
研究期間1996~2006
研究担当者高見秀輝(東北区水産研究所)、武蔵達也(岩手県水産技術センター)、野呂忠勝
発表論文高見秀輝・野呂忠勝・武蔵達也・西洞孝広・遠藤 敬・押野明夫・佐々木良・深澤博達・元 南一・河村知彦,エゾアワビの初期生残過程と減耗要因.平成19年度日本水産学会講演要旨集.P182
発行年度2007
収録データベース研究成果情報

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