養殖ブリ類のノカルジア症に関する研究

養殖ブリ類のノカルジア症に関する研究

タイトル養殖ブリ類のノカルジア症に関する研究
担当機関鹿児島県水産技術開発センター 安全食品部
連絡先0993-27-9200
区分(部会名)水産
専門病理
研究対象魚類
分類研究
背景・ねらい
 ノカルジア症は,1967年に三重県の養殖ブリで初めて確認され,西日本各地のブリ養殖場へ広まった。その後,本症は沈静化に向かっていたが,2000年頃から西日本の養殖場において再び多発するようになった。本症の主な症状は,体表の潰瘍,鰓,腎臓,脾臓の結節形成である。鹿児島県内での発生は9月~10月が多い。ノカルジア症原因細菌Nocardia seriolaeは一部の抗生物質に感受性を示すが,内臓に結節が形成された感染中期以降の病魚には化学療法は困難であるとされている。しかし,感染初期の投薬ができれば,治療が可能であるとの報告があることから,本研究では,感染初期の治療を目的としてノカルジアの感染時期を明らかにすることとした。また,治療の可能性については,数種類の医薬品の有効性を検討することとし,養殖資材や手法の違いによる本疾病の予防についても検討した。

成果の内容・特徴 鹿児島県水産技術開発センターでの検査結果によると,ブリ類のノカルジア症の割合は,1996年までは全体の5%未満であったが,その後急増し,1999年以降は10%以上を占め,特に2001,2002年は15%を超えていた。エライザ法で測定したカンパチ血清中のノカルジア抗体量は,4月~5月の間に急激に上昇し,7月がピークとなり,その後は低くなったことから,採取地のカンパチは4月~5月にノカルジアに感染したと考えられる。また,ブリは,測定を開始した7月には既に高く,9月にはピークとなり,その後は低くなったことから,採取地のブリは,7月には既にノカルジアに感染していたと考えられる。これらのことから,カンパチ,ブリともに,ノカルジア症の早期治療を行うには,抗体量が上昇する感染初期の治療が有効と思われる。各薬剤のMICは,アンピシリン,フロルフェニコールで24株全てが3μg/mL以下の感受性株であった。また,ジョサマイシン,エリスロマイシンでは,3μg/mL以下の感受性株がそれぞれ33%と8%みられたが,どちらも耐性株が多数を占めた。金網と化繊網の飼育魚を比較したところ,死亡尾数,抗体量ともに金網区の方が化繊網区より有意に高い値を示した。

成果の活用面・留意点
エライザ法によりノカルジアの感染時期を推定できた。
MICの測定でノカルジアに対する有効薬剤を検索できた。
生け簀網の素材の違いや網替えのタイミングによるノカルジア症の発生傾向を把握することができた。


具体的データ
図表 <a href="/media/chart/0000617827/0000062828" class="icon_pdf">PDFファイル</a>
予算区分県単
研究期間2003~2006
研究担当者平江多績
発行年度2007
収録データベース研究成果情報

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