超音波発信器を用いた霞ヶ浦のアメリカナマズ行動解析

超音波発信器を用いた霞ヶ浦のアメリカナマズ行動解析

タイトル超音波発信器を用いた霞ヶ浦のアメリカナマズ行動解析
担当機関茨城県内水面水産試験場 湖沼部
区分(部会名)水産
専門生態系
研究対象他の淡水魚
分類研究
背景・ねらい
 アメリカナマズ(チャネルキャットフィッシュ)は北アメリカ原産の外来魚で、2000年頃から霞ヶ浦水系・利根川水系で生息量の増加が確認されている。本種生息量の急激な増加に伴い、霞ヶ浦の水産資源に与える影響が懸念されている。そこで、成魚腹腔内に超音波発信器を埋め込んだ後、霞ヶ浦に放流し、カナダVemco社製の設置型・追跡型受信機を用いて、本種の産卵場所や越冬場所の特徴や移動距離を把握した。

成果の内容・特徴(1)霞ヶ浦における超音波発信器と受信機の有効受信範囲を測定した。発信器単体・魚体腹腔内装着とも、音波受信距離は600m、信号識別距離は450mであった。
(2)産卵期を含む2006年5~9月に成熟雌雄6尾に発信器を装着し、高浜入り湾口部に放流した後の移動を、昼間は追跡型受信機で、夜間は設置型受信機で追跡した。放流魚の移動状況をみると、1.放流地点付近に留まるもの、2.湖尻に移動するもの、3.湖尻から北7~8kmの間を往復するもの、4.ほぼ湖内を一周するもの、が捉えられた(図1)。
(3)越冬期の2006年11月に上記処置を施した成熟雌雄10尾を、土浦入り湾奥部に放流・追跡した結果、追跡可能であった5尾のうち、12月に放流場所近くの砂利採取穴を出入りしていたのは2尾で、他の3尾は砂利採取穴周辺に留まっていた(図2)。また、1月の最低水温期(6~7℃)には砂利採取穴周辺に留まるものが少ない(移動する個体が多い)ことが分かった。
(4)産卵期の2007年5月に上記処置を施した成熟雌雄21尾を、霞ヶ浦各地に放流・追跡した結果、土浦入り・高浜入りの放流魚は、1ヶ月後には入り湾口部まで移動し、湖央沿岸域に滞留することが分かった(図3)。6月上~中旬に雄が長期間留まっている場所は水深1~5m層であり、その多くは2~3m層の水中構造物付近か近くの平場に留まっており、水中構造物に隣接した平場での繁殖行動が示唆された(図4)。

成果の活用面・留意点
 アメリカナマズ成魚は、産卵期には湖央沿岸域に移動・滞留するのに対し、越冬期の12月には砂利採取穴周辺から大きく移動しないことが明らかになった。したがって駆除方法としては、産卵期に湖央沿岸域の水中構造物付近に刺し網等を設置するのが効果的である。


具体的データ
図表 <a href="/media/chart/0000617848/0000062862" class="icon_pdf">PDFファイル</a>
予算区分県単事業(文部科学省特別電源交付金)
研究期間2007~2008
研究担当者岩崎 順(茨城県内水面水産試験場、喜多 明、湖沼部)
発表論文平成18年度茨城県内水面水産試験場事業報告
発行年度2007
収録データベース研究成果情報

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