日本海海況予測システムJADEを利用したスルメイカ漁場の効率的探索

日本海海況予測システムJADEを利用したスルメイカ漁場の効率的探索

タイトル日本海海況予測システムJADEを利用したスルメイカ漁場の効率的探索
担当機関石川県水産総合センター 海洋資源部
区分(部会名)水産
専門計測・調査法
研究対象するめいか
背景・ねらい
平成20年5月から、(独)水産総合研究センターは、九州大学応用力学研究所の日本海データ同化モデルの改良型である日本海海況予測システム(JADE)を運用している。これにより、日本海の水深200mまでの水温・塩分・潮流の計算値が1/12度格子の密度で入手できるようになった。イカ釣り漁業では、海況情報として主に海面水温図が用いられているが、以前から漁場形成は中層水温と関係が深いことが指摘されている。そこで、JADEデータと漁場の関連性を調べるとともに、漁場探索への利用について検討した。
成果の内容・特徴 (1) JADEのホームページには水温図と潮流図が掲載されているが、画像サイズが小さく、同値線や色分けの問題で海況の特徴が読み取り難い。そこで、同ホームページからダウンロードしたデジタルデータを日本電子計算(株)製の作図ソフトGsharpを用いて作図し直した。作図にあたっては、(1)データの読み込み、(2)水温・塩分・潮流図の描画、(3)過去の漁船操業位置データの読み込みとプロット、(4)画像ファイル出力の一連の操作をスクリプト言語で自動化し、1回の操作で1年分の画像を出力できるようにした。

 (2) 水深200m水温と漁場の関連をみたところ、暖水と冷水が接する海域(潮境)で操業している事例が多く見られた。2007年9~12月の水温・漁場図では(図1)、若狭湾沖の暖水域が北西方向に広がるとともに、能登半島沖に冷水域が形成され、これにより大和堆に形成されていた漁場が、11月以降、隠岐諸島沖と能登半島沖に分断された様子を読み取ることができた。このような事例からも、JADEデータが漁場選定に利用できると考えられた。

 (3) 2008年8月のJADEデータから大和堆北東の海域が漁場として有望であると考え、この海域で調査船白山丸(167トン)によるイカ釣り調査を重点的に実施した(図2)。この海域のCPUE(釣機1台1時間当たりの釣獲尾数)は76.4尾であり、資源密度が極めて高いことが確認できた。そして、それまで北海道沖で操業していた漁船の多くが9月から大和堆付近で操業するようになり、至近に位置する石川県小木港の同年9月の水揚量は前年の約3倍に増加した。
成果の活用面・留意点
 JADEデータを踏まえた調査を計画することで、効率的な調査船調査と漁船の誘導が可能である。さらに、JADEでは2ヶ月先までの予測値が得られることから、漁場予測も可能と考えられる。

具体的データ
図表 <a href="/media/chart/0000617914/0000062952" class="icon_pdf">PDFファイル</a>
研究担当者四方崇文
発行年度2008
収録データベース研究成果情報

研究成果情報アクセスランキング

Copyright 2017 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat