低塩分による稚仔魚の斃死軽減技術

低塩分による稚仔魚の斃死軽減技術

タイトル低塩分による稚仔魚の斃死軽減技術
担当機関広島県立総合技術研究所 水産海洋技術センター 水産研究部
区分(部会名)水産
専門飼育環境
研究対象魚類
分類研究
背景・ねらい
広島県では地付き魚を漁獲対象とする漁業(小型底びき網漁業,刺し網漁業など)の経営体が県全体の70%を占めている。これら漁船漁業の振興のためにオニオコゼ・カサゴ等の地付き魚の種苗放流による資源増大が求められている。ところがこれら地付き魚の種苗生産技術が安定していないことから,放流用種苗の確保が課題となっていた。

 また,食品としての安全性を担保するために種苗生産過程での薬剤使用が制限されたことで,薬剤を用いることのない仔稚魚のへい死軽減技術の開発が急務であった。

 そこで,当センターでは仔魚期に体液に近い低塩分の海水で飼育することによって,大量減耗を防ぎ生残性を向上させる飼育手法を開発した。
成果の内容・特徴1.オニオコゼは変態前(孵化後12~20日齢)に大量減耗が発生しやすいが,その期間の仔魚の飼育水の塩分濃度を下げることで,48時間後の死亡率が大幅に下がることを明らかにした。(図1,2)

2.魚種により低塩分に対する耐性は発達段階により異なることから,それに伴って低塩分飼育が有効な期間についても異なることが示唆された。(図3)

3.カサゴは体表における塩類細胞の分布密度が小さくなる時期(25日齢前後)に大量減耗が発生し,この時期に低塩分飼育を実施すると,生残率向上に有効であった。このことから体表や鰓に点在する塩類細胞の代謝機能を低塩分飼育により補助することで代謝にかかるエネルギーを低減し生残性が向上したと考えられた。(図4)
成果の活用面・留意点
1.低塩分飼育法の開発により,薬剤の使用が制限される種苗生産現場において抗病的飼育手法として普及することが期待できる。

2.また,薬剤を使用しない飼育法は安心・安全な水産物供給体制技術の確立にもつながる。

3.これらの開発した技術は特許を出願し,審査請求中である。「海産魚類における稚仔魚の抗病的飼育法」(特開2006-288234)

予算区分
研究期間2002~2008
研究担当者御堂岡あにせ、相田聡、飯田悦左
発表論文研究課題名定着性魚類種苗生産技術開発,地付き魚の種苗生産技術開発研究 研究期間:平成14~16年,平成18~20年 予算区分:県単独 研究担当者:御堂岡あにせ,相田聡,飯田悦左 :広島県立水産海洋技術センター研究報告,第1号,41-42.
発行年度2008
収録データベース研究成果情報

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