低湿重粘土水田における育苗箱全量施肥による不耕起移植栽培

低湿重粘土水田における育苗箱全量施肥による不耕起移植栽培

タイトル低湿重粘土水田における育苗箱全量施肥による不耕起移植栽培
要約溶出がシグモイドタイプの被覆尿素を用いて本田の施肥窒素分を育苗箱内に施用しておき、移植苗と共に本田施肥する方法により肥料の利用率が向上し、基肥窒素の利用率が低い不耕起移植栽培でも大幅な減肥と省力施肥が期待できる。
担当機関秋田県農業試験場 環境部 土壌試験担当
連絡先0185-45-2011
区分(部会名)東北農業
専門肥料
研究対象水稲
分類指導
背景・ねらい不耕起移植水田では、慣行の代かき水田に比べて土壌窒素無機化量が少ないことや、
窒素の利用率が低い表面施肥が主体になることから、初期生育確保のための増肥や
多数回追肥が必要となる。そこで、これを改善するための方策として、肥効調節型肥料
(被覆尿素)を用いた効率的で省力な施肥技術を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 育苗箱全量施肥は、シグモイドタイプの溶出特性をもつ肥効調節型肥料
    (被覆尿素S100日:施用後地温25℃で約30日間の溶出は極小で、その後約70日間溶出)
    により本田の施肥窒素分を予め育苗箱内に施用し、育苗終了後、移植苗と共に本田に
    持ち込む施肥法であるため、慣行の施肥作業を大幅に省略できる
    (図1)。
  2. 育苗期間中、肥料窒素は2.8%程度溶出するため、育苗期間の慣行追肥を
    省略できる
    (図1、
    図2)。
  3. 通常、不耕起移植栽培で表面施肥した基肥硫安の成熟期における利用率は約9%
    であるのに対して、本施肥法での利用率は79%と著しく高かった。なお、
    溶出窒素の利用率は7月以降ほぼ一定であり、平均83%であった
    (図2)。
  4. 本田への持込み窒素量は箱当りの施肥量と箱数で決まる。箱当りの肥料現物量の適量は
    500~600g程度であり、箱数が27箱/10aの場合の本田への持込み窒素量は、
    5.2~6.3kg/10aであった。箱施肥区は表面施肥区に比べて初期生育が良好で穂数が
    増加するため、総籾数が多くなり増収した
    (表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 出芽は無加温で行い、ハウス育苗での温度・水管理は慣行と同様である。
  2. 箱当たりの施肥量は、本田における土壌窒素供給質と箱数を考慮して決定する。
  3. リン酸、カリは、天然供給が少ない土壌では、本田で慣行量を表面施肥する。
具体的データ
図1
図2
表1
予算区分指定試験
研究期間1992~1992
発表論文金田吉弘 他(1993) 不耕起移植水稲の効率的施肥技術(第一報)肥効調節型肥料を用いた育苗箱全量一回施肥法、土肥学会要請集39
発行年度1992
収録データベース研究成果情報

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