カイコ体液から調整した抗カビ性物質の利用と応用

カイコ体液から調整した抗カビ性物質の利用と応用

タイトルカイコ体液から調整した抗カビ性物質の利用と応用
要約カイコ体液から酸メタノール抽出とTSKゲルODS-80Tsを用いたHPLCにより得られる画分と、その一部を模倣したトリフルオロアセチル化アミノ酸は、数種の農作物病原糸状菌に対して高い抗カビ活性を示す。
担当機関宮城県蚕業試験場 病理昆虫科
区分(部会名)東北農業
専門昆虫機能
研究対象昆虫類
分類研究
背景・ねらいこれまでに数種類の昆虫由来の抗カビ性物質が報告されている。
本研究では、従来の抽出法とは異なる方法でカイコ体液から粗画分を得て、
特に農作物病原糸状菌に対する抗カビ活性と粗画分が持つ特性を調べる。また、
粗画分には14種類のアミノ酸とトリフルオロ酢酸が存在することが
明らかとなったことから、
その一部を模倣したトリフルオロアセチル化アミノ酸についても
同様に抗カビ活性を調べる。
成果の内容・特徴
  1. カイコ(錦秋×鐘和)は人工飼料で飼育し、
    体液採取には5齢2日の健全な幼虫だけを使用する。
  2. 採取した体液は酸メタノール抽出後、カラムにTSKゲルODS-80Tsを用いたHPLCに注入し、
    0~5分の間に溶出する画分を分取、凍結乾燥する。
    溶離液には0.1%トリフルオロ酢酸を使用する。
  3. 粗画分のイネいもち病菌に対する抗カビ活性は濃度と明確な関係がある
    (図1)。
  4. 粗画分は100度Cで3分間の熱処理に対して安定である
    (図2)。
  5. 粗画分を150mg/mlに調整し、農作物病原糸状菌を用いた生物検定(寒天ディスク法)
    の結果は、72時間後の抑制率では、イネいもち病菌に対して79%、
    イチゴ炭疽病菌に対して70%、リーキ黒斑病に対して66%、
    キュウリつる割病菌に対する48時間後の抑制率では、53%であり、
    全ての供試病原糸状菌に対して、顕著な抗カビ活性を示す
    (図3)。
  6. グルタミンと0.1%トリフルオロ酢酸を混合することにより得た
    トリフルオロアセチル化グルタミンを70mg/mlに調製してイネいもち病菌に対する
    検定結果は、72時間後の抑制率では71%と、顕著な抗カビ活性を示す
    (図4)。
成果の活用面・留意点抗カビ性物質の効率的な採取方法や粗画分の特性について、
さらに検討を進める必要がある。
具体的データ
図1
図2
図3
図4
予算区分県単
研究期間1998~2005
特許出願(公開)カイコ血液中からの坑カビ性物質の抽出と応用法、特許出願(1998年1月)カイコ体液成分を模倣したトリフルオロアセチル化アミノ酸の坑カビ活性,東北蚕糸研究報告、(23),1998
発行年度1998
収録データベース研究成果情報

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