ダイズわい化ウイルス(SbDV)4系統の全塩基配列の決定と比較

ダイズわい化ウイルス(SbDV)4系統の全塩基配列の決定と比較

タイトルダイズわい化ウイルス(SbDV)4系統の全塩基配列の決定と比較
要約病徴型およびアブラムシ媒介性により類別されるSbDV4系統の全塩基配列を決定した。いずれも5つの翻訳領域(ORF)を有し、塩基配列の相同性は同じ病徴型の系統間で高いが、ORF5の5'末端領域にアブラムシ媒介性との相関が認められる。
担当機関東北農業試験場 地域基盤研究部 病害生態研究室
東北農業試験場 作物開発部 上席研究官室
区分(部会名)東北農業
専門作物病害バイテク
研究対象だいずウイルス
分類研究
背景・ねらいダイズわい化病は北日本におけるダイズ生産に最も深刻な被害を与えており、本病
抵抗性品種の早急な育成が望まれている。その病原であるSbDVは、病徴型と
アブラムシ媒介性の違いにより、ジャガイモヒゲナガアブラムシで媒介される
黄化系統(YS)とわい化系統(DS)、及びエンドウヒゲナガアブラムシで媒介される
黄化系統(YP)とわい化系統(DP)の4系統に類別されている。したがって、抵抗性
品種の育成、利用による本病防除を効率的に進めるためには、病徴型および
アブラムシ媒介性に関与する遺伝子領域を明らかにするとともに、遺伝子診断に
よりこれら各SbDV系統の発生状況を的確に把握する必要がある。
成果の内容・特徴
  1. SbDVのゲノムRNAの大きさは、YS(分離株M93-1)が5853塩基、YP(同M94-1)が
    5841塩基、DS(同HS97-8)およびDP(同M96-1)が5708塩基である(図1)。
  2. 4系統すべてのゲノムRNAが5つの翻訳領域(ORF)を持つ(図1)。なお、ORF1およびORF2は複製関連タンパク質、
    ORF3は外被タンパク質、ORF4は師部細胞間移行に関連するタンパク質をコード
    していると考えられている。また、ORF5はORF3の終止コドンのリードスルーにより
    翻訳され、その産物はアブラムシ媒介性に関与すると考えられている。
  3. 塩基配列から推定されるアミノ酸配列の相同性は、すべてのORFにおいて、同じ
    病徴型を示す系統間で高く(表1)、YSとYPおよび
    DSとDPがそれぞれ極めて近縁であると考えられる。
  4. 一方、ORF5の5'末端領域では、同じアブラムシ媒介性を示す系統間で塩基配列
    および推定アミノ酸配列の相同性が高い(表2)。
    このことから、この領域がアブラムシ媒介特異性に関与している可能性がある。
成果の活用面・留意点
  1. 本塩基配列をもとにプライマーを設計し、RT-PCR法によって感染植物からSbDVを
    検出できるほか、病徴型およびアブラムシ媒介性の判定が期待される。
具体的データ
図1
表1
表2
予算区分経常経常
研究期間1999~2000
発表論文Comparison of the genomes of three strains(YS,YP and DP) of soybean dwarfluteovirus. Phytopathology, 89:S77. 1999.ダイズわい化ウイルス(SbDV)DS系統の全塩基配列.日本植物病理学会報、65:669-670. 1999.
発行年度1999
収録データベース研究成果情報

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