費用面からみたマクロシードペレット散布作業システムの適応性

費用面からみたマクロシードペレット散布作業システムの適応性

タイトル費用面からみたマクロシードペレット散布作業システムの適応性
要約マクロシードペレット散布作業システムは、既存の完全更新法と比較して、直接費用において優位性を持つ簡易更新法である。野草等の混生草地や林内草地造成等の低密度播種、急傾斜地の草地改良において高い適応性を示す。
担当機関東北農試 総合研究部 農村シス研
連絡先019-643-3493
区分(部会名)東北農業
専門経営
研究対象牧草類
分類指導
背景・ねらい急傾斜地や障害物のある放牧地の草地改良に、
マクロシードペレット(以下MSPと略記)が人力散布で用いられていたが、
エンジンコンプレッサ、種子塗布機、MSP運搬車、エゼクタ式散布機から構成
される散布作業システムが開発された。
そこで、新システム(図1-(1),(2))と既存草地改良法(図1-(3))の直接費用との比較を行い、新システムの優位性が発揮される条件を検討する。
成果の内容・特徴
  1. このシステムは、既存草地改良法と比べて、工程数が少ない簡易な方法である
    (図1)。MSP簡易更新の直接費用(43万円/ha)は、
    既存の完全更新(52万円/ha)と比較して約20%安価である
    (表1)。費用項目別でみると、
    MSP自体の肥料費とその他諸材料費(種子を塗布する糊)は増加するが、
    既存の草地改良法と比較して工程数が少ないことから、
    人件費及び機械費が低廉である。但し、ルートマットや牛道を破砕し、
    播種床整備を行う新粗耕法では、砕土と耕起の作業工程が加わることで
    割高になる。
  2. MSP散布個数は、目標とする草地化速度や草地の荒廃状況により異なる。
    散布個数別の費用は、簡易更新の場合に24個/平方メートル以下であれば完全更新
    と比較して安価である(図2)。
    新粗耕法の場合でも、17個/平方メートル以下の低密度播種において
    費用面で優位性を示す。
  3. 既存の草地改良は、傾斜が強くなるにつれ作業効率の低下等で費用が増加する。
    このシステムは、散布機と動力源を分離することで散布機を小型化し、
    傾斜地への進入と作業が容易である。
    さらに、圧縮空気を利用した散布方法の採用により、
    1ヶ所から15~20aの広域散布が可能である。
    そのため、このシステムは傾斜に関係なく費用がほぼ一定であるため、
    MSPの新粗耕法でも15度より強い傾斜地で優位性を発揮する
    (図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 草地改良を行う場合に、本システムと既存の草地改良法を比較する事ができ、
    土地条件に合致した費用面から優位性を持つ改良法の選択に参考となる。
  2. 実際の施行には、本システム並びに既存草地改良法とも、
    試算で除いた前植生処理に係わる費用、共通仮設費等の間接工事費用
    などが計上されることに留意する必要がある。
  3. 本システムの選択には、MSP及び散布作業システムの内容について既往の成果情報、
    「マクロシードペレットによる草地・林内草地の簡易草地改良技術」
    「草地飼料作研究成果最新情報第13号」p.99~100、及び
    「圧縮空気を利用したマクロシードペレット散布作業システム」
    「草地飼料作研究成果最新情報第12号」p.255~256を参照のこと。
具体的データ
(図1-(1),(2))
(表1)
(図2)
(図3)
予算区分地域総合
研究期間1999~2000
発表論文The Revitalization of Regional Agriculture through the Ecosystem of Beef Cattle and Grassland in the Hilly and Mountainous Areas of the Tohoku District Japan Association for Farming Systems Research-Extension15 th International Symposium PROCEEDINGS VOLUME1.P.117~124.1998.11。
発行年度1999
収録データベース研究成果情報

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