タイトル | ダイコン用マルチ同時播種機の傾斜地作業特性 |
要約 | だいこん用トラクタ装着式マルチ同時播種機は、マルチ押さえ部の改良と特注マルチフィルムの使用により、傾斜地適応性が向上する。また、作業時間が慣行の約20%に低減されるほか、作業姿勢が大幅に改善され、播種作業の軽労化が図られる。 |
担当機関 | 岩手県農業研究センター 県北農業研究所 営農技術研究室 |
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農産部 生産工学研究室 |
連絡先 | 0195-47-1072 |
区分(部会名) | 東北農業 |
専門 | 作業 |
研究対象 | 農業機械根菜類 |
分類 | 指導 |
背景・ねらい | 本県におけるだいこん用マルチ栽培技術は、作期の拡大や雑草防除を主目的に導入されているが、圃場条件が傾斜地であることから、播種は手作業が主体となっている。このため、傾斜地においても安定したマルチフィルム(以下マルチと表現)張り作業と播種作業が同時にできるように市販機の改良を行い、適応性を検討する。
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成果の内容・特徴 | - マルチ同時播種機を15PS程度のトラクタに装着し、マルチ押さえ部を固定すること、幅110㎝の特注マルチを使用することで、横傾斜圃場に対する適応性が高まり(図1)、縦傾斜が10°程度、横傾斜が5°程度の複合傾斜圃場でも安定した走行が得られ、高精度のマルチ張りと播種が可能となる(表1,2,3)。
- 播種精度は、裸種子3粒設定で2~4粒割合が90%以上、マルチ穴内への播種率は95%以上確保できる(表2)。
- 播種作業をマルチ張り作業と同時化することにより、作業時間は慣行手播き作業の20%程度と大幅に低減される(表3)。また、慣行作業では中腰姿勢が中心のためほとんどの作業が改善すべき姿勢であるのに対し、マルチ同時播種では、問題無しとする楽な作業姿勢割合が80%以上になる(表4)。
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成果の活用面・留意点 | - 従来人力で播種作業が行われていた傾斜地(最大10度まで)に適応できる。
- 平坦地で作業する場合は、乗用管理機にマルチ同時播種機を装着することも可能である。
- 土壌水分や土質により、風が強い場合にマルチが剥がれることもあるので、状況に応じてマルチ上面に土を置くなどの補強対策が必要である。
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具体的データ |
図1 |
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表1 |
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2 |
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3 |
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表4 |
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予算区分 | 国(地域基幹)、県 |
研究期間 | 2000~2001 |
研究担当者 | 大里達朗、八重樫耕一、新田政司、鶴田正明、遠藤征彦 |
発行年度 | 2000 |
収録データベース | 研究成果情報 |