クサギカメムシ成虫はリンゴ果実を餌として産卵できる

クサギカメムシ成虫はリンゴ果実を餌として産卵できる

タイトルクサギカメムシ成虫はリンゴ果実を餌として産卵できる
要約リンゴ果実はクサギカメムシ成虫の栄養源として、他の餌植物よりも不十分であるが、卵巣発育の餌としては有効である。これによって、クサギカメムシ成虫は好適な餌が少ない春期に、リンゴ果実を繁殖のための栄養源として利用している。
キーワードクサギカメムシ、リンゴ、餌植物、卵巣発育
担当機関秋田果樹試 環境部 虫害担当
連絡先0182-25-4224 / funayamak@pref.akita.lg.jp / funayamak@pref.akita.lg.jp
区分(部会名)東北農業
分類科学、参考
背景・ねらいカメムシ類にとって果樹は必ずしも好適な餌ではないが、クサギカメムシの幼虫はリンゴ果実を餌として成虫まで発育できることが確認されている。しかし、成虫ではリンゴ果実を摂食して繁殖できるかどうかは詳しく調査されてない。そこで、リンゴ果実を餌としたクサギカメムシ成虫の卵巣の発育状況を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. リンゴ園で成虫は5月上旬から観察され、早期に餌植物として利用されるオクチョウジザクラ上よりも観察される時期が早い。リンゴ園に飛来した雌成虫の栄養蓄積は5月中旬から上昇し、卵巣を発達させて成熟卵を保有している(図1)。このことは、成虫が未成熟のリンゴ果実を餌として卵巣発育できることを示す。
  2. リンゴ園で採集した雌成虫の栄養蓄積と卵巣発育程度は、オクチョウジザクラから採集した個体よりも低い(図1)。また、4月下旬からリンゴ樹の花(果)そうを袋で覆い、その中に放した雌成虫の栄養蓄積は、5月下旬(落花14日後頃)から増加するが、野外で好適な餌であるラッカセイとダイズを与えた個体よりも通年で低く、産卵数も少ない。しかし、リンゴに放した雌成虫は、秋期まで生存個体が観察される(図2)。これらの観察は、リンゴ果実はクサギカメムシ成虫の繁殖のための栄養源として十分とはいえないが、卵巣発育と個体維持の餌として利用できることを示す。
  3. 以上から、クサギカメムシ成虫はリンゴ果実を餌として繁殖が可能であり、好適な餌が少ない春期には、リンゴ果実を重要な栄養源として利用している。
成果の活用面・留意点
  1. リンゴはクサギカメムシにとって、産卵および幼虫発育が可能な「寄主植物」となり得る。この知見は、クサギカメムシ成虫のリンゴ園への飛来機構を解明する上で重要である。
具体的データ
図表
図表
予算区分国庫(総合管理技術)
研究期間2000~2004
研究担当者舟山 健
発表論文Funayama, K.(2004) Appl. Entomol. Zool. 39:617-623.
発行年度2004
収録データベース研究成果情報

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