寒冷地におけるロングマット水耕苗を用いた水稲生産技術体系

寒冷地におけるロングマット水耕苗を用いた水稲生産技術体系

タイトル寒冷地におけるロングマット水耕苗を用いた水稲生産技術体系
要約ロングマット水耕苗育苗・移植技術は、育苗と移植の作業時間が慣行の約半分と極めて省力的で、労働生産性が高く、育苗と移植の作業面積の拡大が可能となり、所得の増加が見込まれる。
キーワードロングマット水耕苗、生産技術体系
担当機関岩手農究セ 農産部 生産工学研究室
企画経営情報部
水田作研究室
生産環境部
土壌作物栄養研究室
連絡先0197-68-4415 / CE0008@pref.iwate.jp / CE0008@pref.iwate.jp
区分(部会名)東北農業
分類技術、普及
背景・ねらい水稲移植栽培において、培土を利用した育苗・移植作業が行われてきたが、移植時の苗運搬作業が重労働であることなどから、その省力・軽労化が強く望まれている。そこで、旧農林水産省農業研究センターで開発された水稲ロングマット水耕苗育苗・移植技術(以下「ロングマット技術」と表記)について、寒冷地における適応性及び本技術の導入の可能性を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 寒冷地におけるロングマット水耕苗育苗では、水耕液の加温、育苗初期の保温管理と巻き取り前の追肥を行うことで、活着力のある良苗の安定育苗が可能となる。また、1週間程度の苗貯蔵技術を開発したことから、育苗ハウスや育苗装置を2回利用することができる(表1)。
  2. ロングマット水耕苗を用いた寒冷地における4.8ha経営規模の生産技術体系をとりまとめた。ロングマット技術の育苗と移植の作業時間は、10a当たり2.2時間で、慣行(土付き苗移植技術、以下、慣行と表記)対比で48%と大幅に省力化される(表1,2)。
  3. 育苗ベッドなどの施設償却費は増加するものの、育苗器、育苗培土などが不要になり、変動費と機械償却費が減少するため、10a当たり経営費は慣行を約2,000円下回る(表2)。
  4. 10a当たり所得は、経営費が慣行より下回るものの、収量の低下(3%を想定)により粗収益が減少することから、慣行より約2,200円減少する。しかし、育苗と移植作業の省力化によって労働時間が短縮され、作業ピークとなる5月上・中旬の労働時間が慣行より大きく減少するため、育苗と移植の作業面積の拡大が可能となり、所得(1人当たり可能所得)の増加が見込まれる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 集落営農や規模拡大等で新たに育苗施設が必要になった場合に活用できる。なお、更に規模の大きな経営への導入の可能性については今後検討する予定である。
  2. 育苗ベッド等育苗装置は水稲の育苗にのみの利用を想定した。
  3. 収支試算は、慣行より欠株が多いことや苗損傷が見られることから、収量水準を慣行より3%減とした。
具体的データ
表1
表2
予算区分県単
研究期間2003~2005
研究担当者大里達朗、前山 薫、及川あや、高橋良学、藤井智克
発行年度2005
収録データベース研究成果情報

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