生体由来ウシ子宮内膜のオキシトシン感受性試験を利用した子宮機能の評価
生体由来ウシ子宮内膜のオキシトシン感受性試験を利用した子宮機能の評価
タイトル | 生体由来ウシ子宮内膜のオキシトシン感受性試験を利用した子宮機能の評価 | ||
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要約 | 生体より採取した子宮内膜は培養してオキシトシン感受性試験が可能であり、オキシトシンに対するプロスタグランジンF2α産生能の差異は子宮内膜の生理的機能評価の参考となる。また、子宮内膜の採取が卵巣機能及び受胎性に及ぼす影響はない。 | ||
キーワード | 肉用牛、子宮機能、プロスタグランジン、組織培養、家畜繁殖 | ||
担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 東北農業研究センター 畜産草地部 育種繁殖研究室 | ||
連絡先 | 019-643-3542 / kosukei@affrc.go.jp / kosukei@affrc.go.jp | ||
区分(部会名) | 東北農業 | ||
区分(部会名) | 畜産草地 | ||
分類 | 技術、参考 | ||
背景・ねらい | 胚移植の受胎率向上のために、繁殖機能の高い個体の迅速かつ的確な選定が必要である。そのためには従来の卵巣機能の把握を中心とした繁殖検査に加え、子宮の客観的かつ正確な機能評価法の開発が有効と考える。そこで本研究では、生体に近い状態を反映している組織培養から得られる情報により、子宮の正確な機能評価法を開発する。 | ||
成果の内容・特徴 | 1. 正常牛において、オキシトシン(OT)感受性試験により培養組織のプロスタグランジンF2α(PG)産生は有意に増加するが(P0.05)、リピートブリーダーでは有意な差は無い (図1)。この結果は、生体より採取した子宮内膜は培養してOT感受性試験が可能であり、OTに対するPG産生能の差異は子宮内膜の生理的機能評価の一つの指標となる可能性を示す。 2. 発情周期中において、繰り返し子宮内膜を採取しても主席卵胞は2-4回の消長を示し、発情周期の長さもほぼ変化がない(図2及び表1)。また、一部の条件下では、その後も受胎を確認している(表1)。この結果は、子宮内膜の採取が卵巣機能及びその後の受胎性に大きな影響を与えないことを示す。 | ||
成果の活用面・留意点 | 1. オキシトシン感受性試験時のPG産生能の差異は子宮内膜の生理的機能を評価する際の参考となる。 2. 本試験の供試牛は全て日本短角種であるため、他品種については別途検討する必要がある。 3. 子宮内膜採取期間終了後、自然交配による受胎性の確認は、本試験条件下における結果であり、他の採取条件については別途検討する必要がある。 4. 子宮内膜組織の採取部位(子宮小丘及び小丘間)によりPG産生能の差異が報告されている事から、複数の組織片を採取する必要がある。 | ||
具体的データ | |||
図1 | |||
図2 | |||
表1 | |||
予算区分 | 科研費 | ||
研究期間 | 2002~2005 | ||
研究担当者 | 伊賀浩輔、志水学、竹之内直樹 、平尾雄二 | ||
発表論文 | 伊賀ら (2004) 東北農業研究第57号 139-140 | ||
発行年度 | 2005 | ||
収録データベース | 研究成果情報 |