タイトル | 六条大麦の葉耳間長による幼穂長の推定および出穂期の予測 |
要約 | 六条大麦の止葉と上位第2葉との葉耳間長と幼穂長には高い相関関係があり、葉耳間長から幼穂長の推定が可能で追肥時期の判定に活用できる。また、葉耳間長から出穂期までに必要な日平均積算気温、日数も推定可能で、赤かび病の薬剤防除適期の予測に活用できる。 |
キーワード | 六条大麦、葉耳間長、幼穂長、出穂期 |
担当機関 | 宮城古川農試 水田利用部 水田輪作班 |
連絡先 | 0229-26-5106 / kanzaki-ma656@pref.miyagi.jp / kanzaki-ma656@pref.miyagi.jp |
区分(部会名) | 東北農業 |
分類 | 技術、普及 |
背景・ねらい | 宮城県の六条大麦慣行栽培では硝子率を低く保ちつつ子実の充実を促すため幼穂長30㎜頃の窒素追肥を基本技術としているが、幼穂長は葉身、葉鞘を除去して測定しなければならず、生産現場での追肥時期の判定は労力を要していた。また、赤かび病等の防除には適期の薬剤散布が重要であるが、簡易に出穂期が予測できないことから防除適期を逸している例が多い。そこで、外観から簡易に判断できる基準として止葉と上位第2葉との葉耳間長(以降「葉耳間長」とする)に着目し、葉耳間長による幼穂長の推定および出穂期の予測について検討した。
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成果の内容・特徴 | - シュンライ、ミノリムギともに葉耳間長から幼穂長の推定が可能であり、幼穂長30㎜頃の葉耳間長の目安はシュンライで+20㎜程度、ミノリムギで+10㎜程度である(図1)。
- シュンライ、ミノリムギともに葉耳間長から出穂期までの日平均積算気温の推定が可能であり、葉耳間長±0㎜頃から出穂期までの日平均積算気温はシュンライで110度C程度、ミノリムギで120度C程度である(図2)。
- シュンライ、ミノリムギともに葉耳間長から出穂期までの日数の推定が可能であり、葉耳間長±0㎜頃から出穂期までの日数はシュンライで8~9日程度、ミノリムギで9~10日程度である(図3)。
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成果の活用面・留意点 | - 葉耳間長の測定により適切な追肥時期を簡易に判断することが可能であり、また出穂期を予測することで赤かび病等の薬剤防除計画の作成に利用できる。
- 圃場全体を対象とし、幼穂長30㎜期を判断する場合、全茎数の40~50%程度が上記の葉耳間長に達した時期とする。
- 本試験は主茎およびI号、II号分げつを対象としている。ただし、Ⅱ号分げつが明らかに弱小な場合は対象外とする。
- 本試験の播種期は宮城県北部における播種適期の10月10日、播種晩限の10月20日、播種晩限を過ぎた10月30日である。
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具体的データ |
図1 |
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図2 |
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図3 |
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予算区分 | 県単 |
研究期間 | 2001~2005 |
研究担当者 | 神崎正明、滝澤浩幸、千田洋、星信幸 |
発行年度 | 2006 |
収録データベース | 研究成果情報 |