タイトル | リンゴ園でのスピードスプレーヤによる農薬散布時のドリフト対策 |
要約 | オウトウ園やモモ園に近接するリンゴ園でのスピードスプレーヤによる農薬散布において、風の条件や片側散布、農薬の選択、防薬ネット等の対策を組み立てることで、近接園へのドリフトを低減できる。 |
キーワード | リンゴ、病害虫防除、スピードスプレーヤ、ドリフト低減 |
担当機関 | 青森農林総研 りんご試 病虫肥料部 |
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青森農林総研 環境保全部 |
連絡先 | 0172-52-2331 / ringoshi@pref.aomori.lg.jp / ringoshi@pref.aomori.lg.jp |
区分(部会名) | 東北農業 |
分類 | 技術、参考 |
背景・ねらい | 2006年5月に農作物等の食品中における残留農薬を規制・強化するポジティブリスト制度が導入された。これにより、農薬散布時の園地周辺における近接作物への薬液飛散(以下、ドリフト)を低減する対策の実施が、これまで以上に重要なものになっている。現在、いくつかのドリフト低減対策が示されているが、その効果を実証した事例は少ない。そこで、園地の実情に合わせて、実施可能な種々なドリフト低減対策を組み合わせ、その効果を実証する。
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成果の内容・特徴 | - 基本的なドリフト低減対策として、1)1~2m/秒以下の風の弱い時に風向きをみながら散布する、2)近接作物に近い列では片側散布に徹する、3)近接作物にも登録がある、あるいは残留基準値の高い農薬を選択する、などを導入する(表1)。
- オウトウ園及びモモ園に近接するリンゴ園での農薬散布において(図1)、上記の基本的なドリフト低減対策を導入し、さらに既存の防風施設を活用した防薬ネット(目合い1~1.5mm)の設置等により、ドリフトを大幅に低減でき(図2)、残留農薬の問題も生じない(表2)。
- 既存の防風ネット(目合い4mm)の組み合わせでも、ドリフト低減効果が認められる(図2、表2)。
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成果の活用面・留意点 | - ドリフト低減対策の普及活動に活用する。
- 立地条件や散布時期の違いなどにより、ドリフト低減の効果は異なる可能性があるので注意する。
- 防薬ネットや防風ネットは下部に隙間があると、すり抜ける薬液が多くなるので、隙間を生じないように設置する。
- モモ園に近接するリンゴ園で使用した目合い1mmの防薬ネットは簡易式開閉パイプ、滑車等の付属品一式の込みで、約5,500円/mである。なお、オウトウ園に近接するリンゴ園で使用した目合い1.5mmの防薬ネットは試作品で、価格は設定されていない。
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具体的データ |
表1 |
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図1 |
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図2 |
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表2 |
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予算区分 | 受託 |
研究期間 | 2006~2006 |
研究担当者 | 櫛田俊明、雪田金助、大川郁子(青森農林総研)、増田幸保(青森農林総研) |
発行年度 | 2006 |
収録データベース | 研究成果情報 |