野蚕絹フィブロイン粉末の製造方法

野蚕絹フィブロイン粉末の製造方法

タイトル野蚕絹フィブロイン粉末の製造方法
要約野蚕絹フィブロインの粉末化は、銅エチレンジアミン溶液による溶解法を適用して溶解した野蚕絹フィブロインを直ちにゲル化沈殿させ、これを粉砕、乾燥して短時間で容易に行うことが出来る。
キーワード野蚕・絹フィブロイン粉末・銅エチレンジアミン・ゲル化・吸湿能
担当機関福島農総セ 作物園芸部
連絡先024-958-1700 / nougyou.centre@pref.fukushima.jp / nougyou.centre@pref.fukushima.jp
区分(部会名)東北農業
分類技術、普及
背景・ねらい未利用の野生絹糸昆虫が産生するいわゆる野蚕の繭層を構成するタンパク質の機能を解明し、広くその利用法を検討している。その中で、すでに家蚕では多くの研究がされているが、野蚕ではほとんどなされていない絹フィブロインの粉末化とその粉末の構造について検討し、その利用の可能性を提示する。
成果の内容・特徴
  1. 供試した野蚕は、天蚕、柞蚕、ウスタビガ、エリサン、ヨナグニサンおよびクリキュラである。
  2. 絹フィブロインの溶解は、特許第2824630号に示されている銅エチレンジアミン溶液による方法とするが、溶解温度は20度C、40度C、60度Cを適用できる(図1-2)。
  3. この溶解溶液から直ちに1.24N硫酸のフィブロインゲル化剤を添加しガム状フィブロインゲルを析出させる。(図1-4)
  4. このフィブロインゲルを1.24N硫酸に16時間浸漬し、さらに8時間水洗してこれを水とともに卓上型ブレンドミキサーにより常温で3~20分粉砕ミキシングする。これを固液分離し、46度Cで乾燥すると絹フィブロインフレークが得られる。このフレークを自動乳鉢や粉砕機を用いて適当なメッシュ(1~10μm)の粉末に調製する(図1-6)。
  5. 従来の家蚕粉末化法と比べて、絹フィブロインの溶解後直ちにゲル化析出沈殿し透析することな く粉末化に処することができる(図1-2⇒3,4)。
  6. 粉末の吸湿能を測定し、BET式適用による内部表面極性基数に関係する単分子吸着量(Vm)、内部表面積(S)および細孔理論による分子凝集性に関係する内部細孔半径(r)を求めると、その内部表面積(S)は、ウスタビガ粉末が1.609×10-6平方センチメートル/gで最も小さく、天蚕は1.969×10-6平方センチメートル/gで最も大きく、一方細孔半径(r)は天蚕が逆に最も小さく17.2Åで、大きいのはエリサンで19.8Åであった(表1)。
  7. エリサンを除いた野蚕絹フィブロインの構造は、家蚕と比べて中でも天蚕は内部表面に極性基を多数持ち反応性に富むとともに分子凝集力の強い構造である。
成果の活用面・留意点
  1. 得られる絹フィブロイン粉末のメッシュは自由に変えることが出来る。
  2. 加水分解等により生理活性を示す分子量に調製することが出来るので、サプリメント、化粧品、医薬品、医療素材への利用の可能性を有する。
  3. 特産としての野蚕の需要が高まり、地域活性化につながる。
  4. 福島県特許(特許第3716392号)であるため、本技術を利用するためには福島県の許諾を得ることが必要である。
具体的データ
図1
表1
予算区分県単
研究期間2000~2005
研究担当者瓜田章二
発行年度2006
収録データベース研究成果情報

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