チャ葉組織中の糸状菌の蛍光染色法

チャ葉組織中の糸状菌の蛍光染色法

タイトルチャ葉組織中の糸状菌の蛍光染色法
要約 フルオレセイン標識コムギ胚芽レクチンで蛍光染色することにより、チャ葉組織中の糸状菌を顕微鏡観察できる。本染色法はチャの主要な病原糸状菌である炭疽病菌、輪斑病菌、褐色円星病菌、もち病菌、網もち病菌および灰色かび病菌に適用できる。
キーワードチャ、フルオレセイン標識コムギ胚芽レクチン、糸状菌、蛍光染色
担当機関(独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所 茶IPM研究チーム
連絡先0547-45-4692
区分(部会名)野菜茶業
分類研究、参考
背景・ねらい 病原菌や拮抗菌等の有用微生物の植物体上における生態を解明し、効果的な防除法や利用法を開発するためには、植物組織中のこれら微生物を顕微鏡観察する必要がある。しかし、従来チャ葉組織中の糸状菌に対して用いられていた染色法は染色性および選択性が低く、菌体の観察は困難であった。そこで、チャ葉組織中の糸状菌に適用できる染色法を選定し、その適用範囲を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. フルオレセイン標識コムギ胚芽レクチン(F-WGA)により、チャ葉組織中の糸状菌を蛍光染色できる。本染色法はチャの主要な病原糸状菌である炭疽病菌、輪斑病菌、褐色円星病菌、もち病菌、網もち病菌および灰色かび病菌に適用できる。ただし、もち病および網もち病病斑のホールマウント試料では、葉組織内の菌体は染色されない(図1、表1)。
  2. チャ葉の固定・脱色には酢酸エタノール(酢酸:エタノール=4:96、v/v)が適している。ホールマウント試料は葉片を固定した後、10%水酸化カリウム水溶液で透明化する。切片試料は固定後に作製するか、生組織から作製した後、99.5%エタノールで固定する。染色はF-WGA溶液(濃度10µg/ml、PBSに溶解)に10分間浸漬して行う。もち病菌および網もち病菌に対しては、切片試料でも10~60分間の水酸化カリウム処理が必要である(表1)。
  3. B励起(励起波長450~490nm)で蛍光顕微鏡観察すると、F-WGAにより染色された糸状菌の細胞壁は緑色の蛍光を発する。木部およびクチクラ層は黄色から黄緑色、壊死したチャ葉組織は褐色の自家蛍光を発するが、菌体とは明確に識別できる(図1)。
  4. 発病による葉組織の褐変が著しい場合には、葉組織内の菌体が染色されないことがある(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 蛍光は徐々に減衰するため、染色後は直ちに観察することが望ましいが、暗黒下で冷蔵保存すれば染色後2~3週間程度は観察可能である。
具体的データ
図1 F-WGA染色によるチャ葉組織中の糸状菌の蛍光顕微鏡像.
表1 チャ罹病葉組織中の病原糸状菌のF-WGA染色に対する反応*
予算区分基盤研究費、交付金プロ(気候温暖化)
研究期間2003~2007
研究担当者山田憲吾、吉田克志、園田亮一 
発行年度2007
収録データベース研究成果情報

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