寒・高冷地におけるイチゴの秋どり栽培技術

寒・高冷地におけるイチゴの秋どり栽培技術

タイトル寒・高冷地におけるイチゴの秋どり栽培技術
担当機関野菜・茶業試験場 盛岡支場 栽培生理研究室
区分(部会名)東北農業
成果の内容・特徴
  1. 技術・情報の内容及び特徴
    夏期の冷涼な寒・高冷地の気象条件を利用し、暗黒低温処理による
    花芽分化誘起法を用いて夏秋期にイチゴを生産するための下記の栽培技術
    を開発した。
    1. 従来、寒冷地では苗数の早期確保が困難であったが、親株を前年秋に定植し、
      2‐4月に無加温多重被覆し、電照によって長日条件とすることにより、ライナーの
      発生を促進することができた(図1)。
    2. 本作型では花芽分化期を人為的に7‐8月に早める必要があるが、簡易な冷蔵庫
      を利用した「暗黒低温処理」は、施設を必要とする「夜冷短日処理」に匹敵する
      花芽分化誘起効果を有することを確認した。暗黒低温処理に用いる苗としては、
      5‐6月に採苗してポット育苗し、処理30日前から窒素施与を中断した株重約30g
      、葉数5枚程度の苗が適した(表1)。
    3. 花芽分化誘起のための暗黒低温処理条件は品種「女峰」の場合、12~15度C、
      15日間が最も適した。処理時期は7月下旬、定植を8月上旬とした時、年内収量
      が最も高くなることを明らかにした(表2、表3)。
    4. 暗黒低温処理前の育苗期に遮熱性フィルムを用いた遮光処理(トンネル被覆)を
      行うことにより植物体温は2‐4度C低下した。この遮光前処理によりその後の暗黒
      低温処理の花芽分化誘起効果の不安定性を改善できた(表3)。
  2. 技術・情報の適用効果
    上記のような栽培法により、品種「女峰」では、10月中旬から12月下旬にかけて
    1株当り200‐260gの収量が得られる。さらに、高価格期で年内収量の6割以上
    を占める10‐11月の早期収穫時には、果重14g以上、糖度10度、酸度0.9%前後
    の優れた品種の果実が得られる(表2、表3、図2)。
  3. 適用の範囲
    寒・高冷地全般。各地域の気象特性に応じて定植期及び収穫期を設定する。
  4. 普及指導上の留意点
    促成栽培用の各品種に適用できるが休眠の深い品種には不向きである。

具体的データ
図1
表1
表2
表3
図2
予算区分特研(やませ霧)、経常
研究期間1990~1991
発行年度1991
収録データベース研究成果情報

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