ユリの香りの抑制法

ユリの香りの抑制法

タイトルユリの香りの抑制法
要約ユリ「カサブランカ」の強い香りは、アミノオキシ酢酸ヘミ塩酸塩(AOA)により抑制される。AOA水溶液を「カサブランカ」切り花に処理することにより、花の発散香気成分量は、無処理と比較して約1/4~1/8となる。
キーワードアミノオキシ酢酸ヘミ塩酸塩、カサブランカ、香気成分、ユリ
担当機関(独)農業・食品産業技術総合研究機構 花き研究所 花き品質解析研究チーム
連絡先029-838-6801
区分(部会名)花き
分類技術、普及
背景・ねらい「カサブランカ」に代表されるオリエンタル・ハイブリッドのユリは、豪華で美しい大輪の花を持つが、甘く濃厚な芳香を有するために、強い香りを嫌う場、例えば飲食店や結婚式など食事の場では敬遠される場合がある。そこで、香気成分の生合成阻害剤の一つであるフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)阻害剤を用いて、香りを抑える処理方法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 「カサブランカ」の花の香気成分は主に芳香族化合物とテルペノイドで構成される。主要香気成分は、イソオイゲノール、シス~オシメン、ベンジルアルコール、リナロールである。特徴的な微量成分として、不快臭を有するp-クレオソール、p-クレゾールを有する。
  2. 「カサブランカ」のつぼみの切り花をPAL阻害剤の一つであるAOA水溶液に24時間生けることにより、翌日開花した花の香気成分量は無処理の約8分の1となる(図1、図2)。AOA水溶液で処理した花の香気成分は、p-クレオソール、p-クレゾールなどの芳香族化合物だけでなく、リナロールやシス~オシメンなどのテルペノイドの量も減少する。香気成分量が全体的に減少したことから、官能的にも香りは弱くなる。
  3. AOA水溶液1mM処理区では、時間の経過と共に茎に小さな褐変が認められることから、「カサブランカ」の香りの抑制には0.1mM処理が適している。
  4. AOA水溶液を24時間処理した場合の香気成分量抑制効果は、1週間後も継続する。AOA 0.1mM水溶液に生けたままとする継続処理の方がより抑制効果は高い。
成果の活用面・留意点
  1. 香りを抑制することにより、強い香りを嫌う飲食店や結婚式などの食事の場へのユリの需要の拡大が期待される。
  2. 同じ「カサブランカ」で、処理の有無によって「濃厚に香るタイプ」と「微香タイプ」を調整することにより、消費者の選択肢が増え、一般需要の拡大も期待される。
  3. 開花後の処理では香り抑制効果が低くなるため、つぼみのうちに処理をすることが望ましい。
  4. 「カサブランカ」は通常4~5輪花を付ける。適切に処理を行えば2番花以降の花にも同様の効果が得られる。
  5. 「カサブランカ」以外のユリに使用する際は、濃度、処理時間などを事前に検討する必要がある。
具体的データ
表1
図1
図2
図3
予算区分基盤
研究期間2007~2009
研究担当者大久保直美
発行年度2009
収録データベース研究成果情報

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