バイオプシ筋肉試料中の遊離アミノ酸類を精度よく測定する方法

バイオプシ筋肉試料中の遊離アミノ酸類を精度よく測定する方法

タイトルバイオプシ筋肉試料中の遊離アミノ酸類を精度よく測定する方法
要約血液混入量23%未満のバイオプシ(生体組織検査)筋肉試料を選択し、この微量な試料の遊離アミノ酸類の含量を、試料加水分解物中の3-メチルヒスチジン量で補正することにより、筋肉由来の遊離アミノ酸類を精度よく測定することができる。
キーワード筋肉、バイオプシ、遊離アミノ酸、ペプチド
担当機関(独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター 日本短角研究チーム
連絡先019-643-3541
区分(部会名)畜産草地
区分(部会名)東北農業
専門畜産
分類研究、参考
背景・ねらい筋肉中の遊離アミノ酸およびペプチド等(遊離アミノ酸類)は、食肉の機能性や呈味に関与する重要な成分である。バイオプシにより採取した微量な筋肉試料を測定に用いる場合、試料への結合組織や脂肪、血液の混入が誤差の原因となる。本成果情報は、これらの誤差の要因を考慮し、バイオプシ筋肉試料に含まれる筋肉由来の遊離アミノ酸類を精度よく測定する方法の開発を目指したものである。
成果の内容・特徴
  1. 各個体からバイオプシ筋肉試料(50~100mg程度)を採取し、直ちに凍結する。図1のフローに従って、一つのバイオプシ筋肉試料から、遊離アミノ酸類、血液に特異的に存在するヘモグロビン、筋肉に特異的に存在する3-メチルヒスチジン(3-MeHis)量を測定する。また、バイオプシ時に採血を行い、この血液試料のヘモグロビン量から、バイオプシ筋肉試料への血液混入量を推定する。
  2. 牛筋肉に結合組織や脂肪を様々な割合で混合した微量試料中の遊離アミノ酸類は、試料中の筋肉量および3-MeHis量と高い相関を示す(表1)。また、同試料中の筋肉量は、試料加水分解物中の3-MeHis量と高い相関を示す(図2)。これらのことから、3-MeHisは試料中筋肉量の指標として有効であり、これを用いて試料中遊離アミノ酸類の量を補正することで、結合組織や脂肪等の混入に由来する誤差を排除することができる。
  3. 日本短角種牛の腰最長筋および外側広筋のバイオプシ筋肉試料には、血液が12~40%程度含まれている。また、両筋肉と血液から検出される遊離アミノ酸類のうち、タウリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、アラニン、アンセリンおよびカルノシン濃度については、血液よりも筋肉で顕著に高い。この濃度差から、上記7種のアミノ酸類については、血液混入量23%未満のバイオプシ筋肉試料を選択することで、血液混入に由来する誤差を5%未満に抑えることができる。
  4. 舎飼いの13ヵ月齢日本短角種去勢雄牛の腰最長筋から採取したバイオプシ試料のうち、血液混入量23%未満の試料を選択し(n=5)、これらの遊離アミノ酸類の量を3-MeHis量あたりで表すと、7種の遊離アミノ酸類の変動係数(CV)は10%未満となる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 上記7種を除く他のアミノ酸類については、血液と筋肉の濃度差が小さいため、血液混入に由来する測定誤差が大きくなる。
  2. バイオプシ筋肉試料中の筋肉量により、血液由来の誤差を5%未満とするための血液混入量は異なるため、以下の計算式より算出する。
    許容血液混入量(mg/g sample)=3.56×3-MeHis(μg/g sample)
  3. 筋肉の種類により3-MeHis量が異なる可能性があるため、本手法は同種の筋肉間での比較に用いる。
具体的データ
図1
図2
表1
表2
予算区分基盤
予算区分所内活性化
研究期間2008~2009
研究担当者今成麻衣、渡邊 彰、樋口幹人、柴 伸弥
発表論文Imanari et al. (2010) J Anim Sci. 81 : 369-376
発行年度2009
収録データベース研究成果情報

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