ソーシャルキャピタルの把握と制度導入を契機とする集落活性化との関係

ソーシャルキャピタルの把握と制度導入を契機とする集落活性化との関係

タイトルソーシャルキャピタルの把握と制度導入を契機とする集落活性化との関係
要約中山間地域等直接支払制度を導入する集落を対象にソーシャルキャピタルの存在状況を把握したところ、対象地域では集落のまとまりと開放性を表すソーシャルキャピタルが把握され、それらは制度導入を契機とする集落活性化に関与していることがわかる。
キーワードソーシャルキャピタル、中山間地域等直接支払制度、集落活性化
担当機関(独)農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究所 農村計画部 地域計画研究室
連絡先029-838-7607
区分(部会名)農村工学
分類参考、行政、技術
背景・ねらい2000年からスタートした中山間地域等直接支払制度は耕作放棄の抑制と多面的機能の発揮を本来の目的としたが、集落協定の締結を契機に集落内の活動が活性化し集落機能の再生など間接的効果が発現されることになった。このことを契機に農業農村施策の導入とソーシャルキャピタルの関係が注目されるようになる。そこで、新潟県柏崎市の中山間地域集落を対象とするアンケート調査からソーシャルキャピタルの存在状況を把握するとともに中山間地域等直接支払制度を契機とする集落活性化とそれらの関係を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 新潟県柏崎市中山間地域の24集落において集落の代表者(役員、女性、青壮年層等各5名計15名/集落)を対象に行ったアンケート調査によると、中山間地域等直接支払制度による耕作放棄抑制に対する効果は9割を超えて認識されており、同時に、集落の将来ビジョンへの発展、人材確保、やる気の醸成など集落の活性化に関与する効果については、ほぼ半数が認めていることがわかる(表1)。
  2. ソーシャルキャピタルを把握するために因子分析を用いてアンケート結果を分析すると、対象地域では、集落内にいる信頼する人の存在程度、災害発生時の防災力、集落のまとまりの良さ、互助精神の賦存状況など集落のまとまりを表すソーシャルキャピタル(因子1)と、都市民(他者)を快く受け入れるか否か、女性・青壮年の意見の通り易さ、正直者は馬鹿を見る気風と信賞必罰の気風のどちらが勝るか等から説明される開放性を表すソーシャルキャピタル(因子2)を把握することができる(表2)。
  3. 将来希望する農業生産の担い手像に関する回答別に、ソーシャルキャピタルの因子得点の平均を求めたところ、集落全戸ぐるみ組織を希望するグループは因子1が高く、新規参入や個別経営を希望するグループは因子2において高い得点を示していることがわかる(図1)。
  4. 表1の集落活性化に関与する効果があるとする回答の集落平均値を「集落活性化度合い」とし、ソーシャルキャピタルの因子得点との関係を見たところ、対象地域では集落のまとまりを表すソーシャルキャピタルは集落の活性化とプラスに関連していることがわかる。一方、集落の開放性を表すソーシャルキャピタルは存在状況が低い場合には集落の活性化とプラスの関係にあるが、存在状況が高くなるとマイナスの関係に転じるという傾向が見られる(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 農村にあるソーシャルキャピタルを把握しようとする場合に参考となる。
  2. ここで述べているソーシャルキャピタルは集落に帰属するものを対象としているが、他にも個人や集落を越えて存在しているものもあるため、ソーシャルキャピタルと制度導入を契機とする効果との関係はさらに多様であると考えられる。
具体的データ
表1
表2
図1
図2
予算区分交付金研究
研究期間2009~2009
研究担当者遠藤和子、福与徳文、芦田敏文、坂本 誠
発行年度2009
収録データベース研究成果情報

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