簡易土壌水分計によるかん水時期判定技術

簡易土壌水分計によるかん水時期判定技術

タイトル簡易土壌水分計によるかん水時期判定技術
要約適切なかん水時期を簡易土壌水分計により簡単に把握できる。黒大豆(丹波黒)の場合、内径20mmの改良型簡易土壌水分計をポーラスカップの中心が地中20cmの深さになるように設置し、指示値が40cmになったらかん水する。
キーワード簡易土壌水分計、かん水指標、ポーラスカップ、黒大豆(丹波黒)
担当機関(独)農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター 暖地温暖化研究近中四サブチーム(兼:農業気象災害研究チーム)
連絡先084-923-4100
区分(部会名)共通基盤
区分(部会名)近畿中国四国農業
専門農業気象
専門農業環境工学
分類技術、普及
背景・ねらい近年、農作物の収量や品質が不安定化している。その要因の一つが干ばつであり、適切なかん水のタイミングを判定する技術が求められている。そこで、取り扱いが容易で安価な土壌水分計を開発し、適切なかん水を可能とする。
成果の内容・特徴
  1. 簡易土壌水分計はポーラスカップ、透明の塩ビ管、シリコン栓で構成され、ポーラスカップと塩ビ管を接着した構造である(図1左)。
  2. 簡易土壌水分計を土壌に挿し、塩ビ管内に水(水道水で可)をいっぱいまで入れ、シリコン栓で蓋をして測定する。黒大豆(丹波黒)では開花前に、簡易土壌水分計をポーラスカップの中心が地中20cmの深さになるように、株間中央に設置する。
  3. 土壌がpF2.8以上に乾燥すると、ポーラスカップを通して空気が侵入する。この空気が土壌の水分張力によって引き伸ばされ、塩ビ管内の水位(指示値)が低下する(図2)。簡易土壌水分計の水位は土壌の乾燥程度に応じて日々低下する(図3)。この水位を指標として、かん水のタイミングを判定する。
  4. かん水が必要となる前に測器内の水が無くなる場合には、異径ソケット(塩ビ管用の継手)を用いた改良型の測器を使用する(図1右)。異径ソケットのサイズによりφ16mm、φ20mm、φ25mmの測器が作成できる。指示値は塩ビ管の断面積比の逆数に応じて変化する。これにより、標準測器(φ13mm)で作成したかん水指標を生かしつつ、要かん水点まで水が保持される。
  5. 黒大豆(丹波黒)の場合、開花後2ヶ月間の積算指示値(標準測器)が300cmを越えると収量が低下する(図4)。積算指示値を300cm以下、かつ、かん水回数を2回以下にするためには、指示値が100cmになったらかん水する必要がある(京都大学開発のモデルで試算、過去10年の気象をシミュレート)。内径20mmの改良型測器では40cmが要かん水点となる。
成果の活用面・留意点
  1. 藤原製作所から土壌水分目視計として販売されている。注文の際には、ポーラスカップとしてニッカトー社製を指定する。
  2. 本技術は、土壌がpF2.8になる前にかん水が必要な作物には利用できない。
  3. 指示値(塩ビ管内の水位)が見にくい場合は、目印としてスーパーボール、PP球、PPボールを塩ビ管内に入れる。
  4. 土壌水分のばらつきを考慮し、圃場一筆につき簡易土壌水分計を3本程度、圃場のやや乾きやすい場所に設置することが望ましい。
具体的データ
図1
図2
図3
図4
予算区分科研費
予算区分実用技術
研究期間2007~2009
研究担当者黒瀬義孝、須藤健一(兵庫農総セ)、岡井仁志(京都農技セ)、河村久紀(滋賀農技セ)、土井正彦(奈良農総セ)、本間香貴(京大)、K.K.ミシュラ(パスコ)
特許出願(公開)黒瀬「低水分領域における土壌水分測定方法および測定装置」特許公開2007-192631
発行年度2009
収録データベース研究成果情報

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