日本海中部海域における急潮発生予測の試み

日本海中部海域における急潮発生予測の試み

タイトル日本海中部海域における急潮発生予測の試み
要約日本海中部海域に敷設された定置網の急潮被害を防止するため、2大学および5府県の水産試験研究機関が共同で精度の高い急潮発生予測技術の開発を試みた。その結果、同海域で発生する典型的な急潮の類型化や、急潮予測シミュレーションの常時運用を達成した。これらの情報を漁業者に適宜発信することにより、漁業者は急潮時の対策として有効な網の一部撤去等を効率よく行える。
担当機関京都府農林水産技術センター 海洋センター 海洋調査部 漁海況・定置担当
連絡先0772-25-3078
区分(部会名)水産
専門海洋構造
研究対象海洋変動
分類研究
背景・ねらい新潟県から京都府に至る日本海中部海域では、急潮(突発的な速い流れ)による定置網の漁具被害があとを絶たず、経営悪化の要因になっている。定置網の防災策として、急潮発生時に網の一部を撤去すると有効なことが判明しているが、急潮はいつどこで発生するのか詳しく分かっていなかったため、漁業者は防災策を講じにくかった。そこで、精度の高い急潮発生予測技術の開発を試みた。具体的には、綿密な現場観測を行うとともに高分解能数値モデルによる検証を進め、急潮の発生・伝播機構の解明やその類型化に取り組んだ。また、その成果を受けて急潮の発生を予測できる数値モデルの開発に着手した。
成果の内容・特徴
  1. 日本中部海域において、急潮が発生しやすい気象条件を大まかに類型化した(図1)。
  2. 本海域における急潮の特性として、海上風の連吹が主なエネルギー源であること、半島や岬の先端部や東部海域で発生しやすいこと、同時多発的であることなどが分かった。また、類型化した気象条件のうち、タイプ1やタイプ2に代表される典型的な急潮の発生・伝播機構を明らかにした(図2)。
  3. 九州大学応用力学研究所が急潮の発生を予測できるシミュレーションモデルを開発し、約一週間先までの急潮発生予報が可能になった(図3)。
成果の活用面・留意点上記の研究成果を踏まえ、各府県の水産試験研究機関から漁業関係者へ急潮発生予測情報を適宜提供する。これにより、漁業者は急潮時の対策として有効な網の一部撤去を効率よく行え、漁具被害の防止・軽減に資することができる。今後の課題として、地先ごとのきめ細かな急潮発生予測技術の確立が挙げられる。
具体的データ
図1
図2
図3
予算区分新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業
研究期間2006~2008
研究担当者上野陽一郎(京都海洋セ)、傍島直樹(京都海洋セ)、熊木 豊(京都海洋セ)、広瀬直毅(九大応力研)、千手智晴(九大応力研)、松野 健(九大応力研)、北出裕二郎(海洋大)、松山優治(海洋大)、山田東也(日水研)、井桁庸介(日水研)、丸山克彦(新潟水海研)、渡辺 健(富山水研)、井野慎吾(富山水研)、大慶則之(石川水総セ)、奥野充一(石川水総セ)、前田英章(福井水試)、瀬戸久武(福井水試)、松宮由太佳(福井水試)
発表論文京都府立海洋センター他(2009):新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業「日本海における急潮予測の精度向上と定置網防災策の確立」研究成果報告書.他論文7件,学会等発表29件
発行年度2009
収録データベース研究成果情報

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