飼料用籾米サイレージの最適な調製方法

飼料用籾米サイレージの最適な調製方法

タイトル飼料用籾米サイレージの最適な調製方法
要約飼料用籾米をサイレージとして貯蔵するには、水分調整や破砕等の処理を行なう必要がある。良質なサイレージとするには籾米の水分含量を35%程度に調整することが必要で、破砕の処理や乳酸菌の添加を行うことでより安定したサイレージ発酵品質となる。
キーワード飼料用籾米、サイレージ調製、水分調整
担当機関(独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 機能性飼料研究チーム
連絡先029-838-8611
区分(部会名)畜産草地
分類参考、技術
背景・ねらい飼料用籾米のサイレージとしての貯蔵方法は、コストやエネルギー消費の面で有用であると考えられる。そのためには、飼料用籾米を安定的に良好な発酵品質で貯蔵可能な調製技術の確立が重要である。そこで、飼料用籾米をサイレージ調製する際の、水分調整や破砕処理、乳酸菌添加やグルコース添加といった前処理方法が、サイレージの発酵品質に及ぼす影響を検討し、飼料用籾米サイレージ調製時の最適な処理方法について解析する。
成果の内容・特徴
  1. 本成果は、飼料用籾米「べこあおば」に、(1)水分調整(水分含量35%程度になるように加水)、(2)段階的な破砕処理(無破砕、弱破砕および強破砕)、(3)添加剤添加(グルコース乾物当たり2%添加および乳酸菌添加)の処理をそれぞれ行い、小規模サイロで調製し(n=3)、60日間貯蔵したサイレージの発酵品質データ(pH、有機酸濃度、揮発性塩基態窒素(VBN)濃度)によるものである。
  2. 水分無調整のものは、乳酸の生成やpHの低下が認められずサイレージ発酵しない。水分調整を行ったものは、すべてにおいて一定のサイレージ発酵が認められる(図1)。
  3. 飼料用籾米の破砕処理は、破砕程度が強いほど乳酸濃度が有意に増加し(図1左上、P<0.01)、pHの値は有意に低下する(図1右上、P<0.05)。したがって、破砕処理は飼料用籾米のサイレージ調製に有効で、その程度は強いほど効果が期待できる。
  4. 添加剤は、水分調整+グルコース、水分調整+乳酸菌の場合に、乳酸濃度の増加(図1左上)とpHの低下(図1右上)が認められる。しかし、水分調整+グルコースの添加時には、水分調整+乳酸菌添加時よりもVBNの濃度が有意に増加する(P<0.01)。したがって、水分調整+乳酸菌添加の処理は、サイレージ調製時により有効な処理方法と考えられ、安定したサイレージ発酵品質となる。
成果の活用面・留意点
  1. 飼料用籾米のサイレージ(イネソフトグレインサイレージ)の調製時に有効なサイレージ調製方法として活用できる。
  2. 強度の破砕処理は、添加剤の付与よりも効果は低いため、コスト等との兼ね合いで検討する事が望ましい。
  3. 破砕処理を行ない充分にサイレージ発酵が進まなかった場合には、雑菌の増殖が懸念されるため、水分調整と嫌気状態に注意をする必要がある。
具体的データ
図1
予算区分委託プロ(えさ)
研究期間2008~2009
研究担当者上垣隆一
発表論文上垣ら(2010)日本畜産学会報、81(3):353-362
発行年度2010
収録データベース研究成果情報

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