半地下栽培装置を用いたチューリップの無加温促成栽培

半地下栽培装置を用いたチューリップの無加温促成栽培

タイトル半地下栽培装置を用いたチューリップの無加温促成栽培
要約開発した半地下栽培装置は、地熱を有効活用するためにハウス内に掘られた溝の中で作物を栽培するものであり、これによって、無加温で寒冷地の厳冬期にチューリップの促成栽培を行うことができる。
キーワード半地下、チューリップ、無加温、冬期、溝
担当機関(独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター 寒冷地野菜花き研究チーム
連絡先019-641-7136
区分(部会名)共通基盤
区分(部会名)東北農業
専門作業技術
専門野菜花き(花き)
専門基盤技術(作業技術)
分類参考、技術
背景・ねらい寒冷地におけるチューリップの促成栽培では多くの暖房エネルギーを必要とするため、石油の価格変動によって農業経営が不安定となっている。そこで、生産コストおよび環境負荷を低減するために、地熱を簡易に利用できる半地下栽培装置とこれを用いたチューリップの無加温促成栽培技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 半地下栽培装置は、ハウス内の大きな溝の内部で作物を栽培するものであり、夜間は被覆資材によって溝の開口部を水平に閉じて、外気との接触面積を小さくすることと溝の壁面からの放熱によって、装置内の温度の低下を防ぐ(図1)。
  2. 平均の光合成光量子束密度(PPFD)はハウス内を100%とすると半地下区は45%、溝の側壁を白色不織布で覆った場合(半地下+白不織布区)は85%である。また、半地下+白不織布区の平均日最高PPFDは、ハウス内と同等以上である(表1)。
  3. 16時から翌朝9時まで開口部を空中二重構造の保温被覆資材で閉じた場合、ハウス内の平均日最低気温が-1.5℃であるのに対して、半地下区は5.8℃、半地下+白不織布区は4.3℃であり、5℃設定の加温をしたガラス温室の場合(加温地上区(慣行))にほぼ等しい(表1)。
  4. 厳冬期の2009年1月14日に植え付けた後の収穫まで要した日数は、どの処理区でもほぼ同等で、「黄小町」の場合は約50日(3月5日頃)、「ハウステンボス」の場合は約57日(3月12日頃)である(データ略)。
  5. 半地下+白不織布区の切り花は、加温地上区(慣行)と較べて両品種とも草丈と最下位節間長が長く高品質になり、重量は同等である。また、半地下区で、徒長気味となる(表2、図2)。
成果の活用面・留意点
  1. コンテナ(44×32×10cm)に市販の園芸培土を入れて、8×8cmの間隔で球根を定植し、二重被覆のガラス室と二重被覆のビニールハウス(半地下栽培装置)に設置して栽培した結果である。
  2. 東北農研内で得られた結果であり、気象条件の違う地域での半地下栽培施設の効果は異なる可能性がある。
  3. 慣行の畝幅を120cm、通路を60cmとした場合、溝幅50cmの半地下栽培装置の栽培面積は慣行の約66%となる。
  4. 溝の側壁は、土壌条件や経過年数により崩れるので、適宜、補強を行う必要がある。
  5. 半地下栽培装置では膝を地面につけて前屈みで収穫を行うために、慣行より作業性は劣る。
  6. 半地下栽培装置内は多湿になるので、病害発生に注意する。
  7. 半地下栽培装置は、チューリップの促成栽培以外にアスパラガス促成栽培などにも適応できると考えられる。
具体的データ
図1
表1
表2
図2
予算区分基盤
研究期間2007~2010
研究担当者松尾健太郎、稲本勝彦、山崎 篤
発行年度2010
収録データベース研究成果情報

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