ノリ養殖漁場におけるブイ型端末システムを用いた硝酸態窒素濃度の連続測定

ノリ養殖漁場におけるブイ型端末システムを用いた硝酸態窒素濃度の連続測定

タイトルノリ養殖漁場におけるブイ型端末システムを用いた硝酸態窒素濃度の連続測定
要約養殖ノリの作柄には漁場の栄養塩濃度が不足することによる色落ちが大きく影響を及ぼしており、栄養塩濃度のリアルタイムな情報提供が求められている。そこで、センサーネットワークを用いた硝酸態窒素濃度の連続測定・データ送信が可能なブイ型端末システムを開発し、ノリ養殖漁場に設置して測定値の精度確認、取得したデータのノリ養殖への活用が可能か検討した。
担当機関宮城県水産技術総合センター 養殖生産部
連絡先0225-24-0139
区分(部会名)水産
専門漁場環境
研究対象のり
分類研究
背景・ねらい養殖ノリの作柄には漁場の栄養塩濃度が不足することによる色落ちが大きく影響を及ぼしており、漁場の栄養塩濃度のリアルタイムな情報提供が求められている。そこで、センサーネットワークを用いた硝酸態窒素濃度の連続測定・データ送信が可能なブイ型端末システムを開発し、ノリ養殖漁場に設置して硝酸態窒素濃度測定値の精度確認、取得したデータのノリ養殖への活用が可能か検討した。
成果の内容・特徴2009年11月12日~12月21日、仙台湾のノリ養殖漁場内にブイ型端末システムを設置した。システムには硝酸態窒素、水温および流向・流速センサーを搭載した。計測は2時間に1回行い、無線送信により陸上でデータを収集した。また、この期間中17回ブイ設置測点の表層水を採取し、オートアナライザーで硝酸態窒素濃度を測定した。

センサーおよびオートアナライザーによる硝酸態窒素濃度の測定値はそれぞれ0.4~11.1μMおよび0.1未満~8.6μMの範囲で推移した(図-1)。センサー測定値と採水によるオートアナライザー測定値を比較すると、両者にはy=0.75x+1.73(R2=0.48)の関係がみられた(図-2、y:センサー値、x:オートアナライザー値)。このことから、センサーによって硝酸態窒素濃度の推移が概ね把握できるものと考えられた。

11月12~24日のセンサーによる硝酸態窒素濃度測定値は4.5~9.8μMの範囲(平均8.1μM)で推移したが、25日から低下し始め、11月25日~12月28日の測定値は1.4~6.0μMの範囲(平均4.0μM)で推移した(図-3)。この期間中の流速および気象条件(降水量・最大風速)と比較することにより(図-3)、流速の低下による潮通しの悪化、降水量減少による陸域からの供給減少、最大風速低下による鉛直混合による海底からの供給減少が栄養塩濃度低下の一因になっていたと推察される。
成果の活用面・留意点これらの結果から、硝酸態窒素濃度の連続測定によるモニタリングが可能となり、最新の情報提供が可能と考えられる。同時に、より詳細なデータを蓄積することにより、ノリ養殖に影響する栄養塩濃度等の解析が可能となった。今後は漁期を通じたモニタリング試験、より安価なセンサーの開発が必要である。
具体的データ
図-1
図-2
図-3
予算区分受託事業
研究期間2008~2009
研究担当者伊藤 博(養殖生産部)
発表論文第9回海環境と生物および沿岸環境修復技術に関するシンポジウム発表論文集
発行年度2010
収録データベース研究成果情報

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