機能性食品素材としての利用を目的としたヒトデ類からの有用成分の抽出・分画法の検討

機能性食品素材としての利用を目的としたヒトデ類からの有用成分の抽出・分画法の検討

タイトル機能性食品素材としての利用を目的としたヒトデ類からの有用成分の抽出・分画法の検討
要約ヒトデ類に含まれる脂溶性成分をヘキサン、エタノール等の溶媒やシリカゲル等の吸着剤を用いて抽出・分画する方法を検討した。セレブロシドやプラスマローゲン等の脂溶性の機能性成分の分離が可能となった。
担当機関(独)水産総合研究センター 中央水産研究所 利用加工部 品質管理研究室
連絡先045-788-7663
区分(部会名)水産
専門水産成分
研究対象他の棘皮動物
分類研究
背景・ねらいヒトデ類は、有用貝類を食害する、底引き網漁業などでは混獲されて網や漁獲物に損害を与えるなどの理由から漁業では厄介者とされているが、一方でEPA、DHA、ガングリオシド、セラミドなどの有用な脂質成分を含んでいることが知られている。そこでこのヒトデ類の成分を食品素材等として利用することを目的に、ヒトデ類から有用脂質成分を抽出、分画する方法を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 北海道紋別市近海のホタテ漁業で混獲されるキヒトデおよびニッポンヒトデを試料とした。
  2. ヒトデ類の内臓や生殖腺から40%エタノールによっておもに水溶性成分を抽出した後、その残渣から100%エタノールによって脂溶性成分を抽出した(図1)。
  3. 抽出した脂溶性成分はヘキサンとエタノールを展開溶媒として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分画した。
  4. ニッポンヒトデ生殖巣よりエタノールによって抽出した脂溶性成分の収率および中性脂質画分(NL)と極性脂質画分(PL)の比は、Bligh and Dyer法で抽出した脂質とほぼ同様であった(表1)。
  5. エタノール抽出物のPL画分中の成分をTLCで確認したところ、セレブロシド、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリンなどの成分が確認された(表1)。
  6. これらの成分はヘキサン-エタノールの溶媒系を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離が可能であった(図2)。
  7. またPL画分から調製した脂肪酸メチルエステルのGLC分析では、ジメチルアセタールが確認され、ヒトデ類の脂質中にプラスマローゲンが含まれることが推測された(表2)。
成果の活用面・留意点ヘキサンやエタノールを用いた抽出法やシリカゲルカラムクロマトグラフィーでも各種の機能性脂質を抽出・分画できたため、ヒトデ類が機能性食品等の素材として利用可能であることが示唆された。
具体的データ
図1 2種の濃度のエタノールによる抽出方法の検討
表1 各種抽出方法によるニッポンヒトデ生殖巣抽出物中の脂溶性成分(%)
図2 キヒトデの100%エタノール抽出物をシリカゲルクロマトグラフィーによって分画した各画分のTLC
表2 キヒトデのエタノール抽出物の全脂質(TL)、中性脂質(NL)、極性脂質(PL)の脂肪酸(FAME)及びジメチルアセタール(DMA)組成
予算区分水産バイオマスの資源化技術開発
予算区分水産業振興型技術開発委託事業(水産庁)
研究期間2006~2010
研究担当者金庭正樹、石原賢司、松嶋良次
発表論文金庭正樹・石原賢司・松嶋良次・鈴木敏之・蛯谷幸司・成田正直、ヒトデ類からの脂質成分の抽出および分画方法の検討、日本油化学会第49回年会講演要旨集、p.327 (2010).
発行年度2010
収録データベース研究成果情報

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