アサリの垂下育成技術の開発

アサリの垂下育成技術の開発

タイトルアサリの垂下育成技術の開発
要約潜砂基質としてアンスラサイトを用いた垂下方式によりアサリを飼育したところ、殻長30mmサイズの小型貝が半年後には単価の高い42mm大型貝に成長し、生残率も約90%と高かった。垂下アサリの肥満度は垂下開始直後から上昇し、天然アサリに比べ常に高く、砂を含まない高品質のアサリが生産できた。
担当機関京都府農林水産技術センター海洋センター 海洋生物部 養殖・魚病担当
連絡先0772-25-3081
区分(部会名)水産
専門増養殖技術
研究対象あさり
分類普及
背景・ねらい京都府のアサリ漁獲量は1993年以降急減し、近年も低迷している。そこで、アサリを安定的に生産する技術開発の一環として、現在京都府で独自の技術により生産を拡大しているトリガイの養殖方法に準じて、アサリの飼育試験を実施した。その結果、アサリ養殖の事業化にとって有利な特長(成長・生残が良い、肥満度が高い等)を持つ育成手法を開発した。
成果の内容・特徴
  1. 飼育コンテナにはポリプロピレン製容器(内寸50×32×深さ21cm)を使用した(写真1)。容器の底にはアンスラサイト(粒径2~3mm)を厚さ約10cmに敷き、アサリを収容した後、容器上面に網蓋(目合2cm)をして、水深3m層で垂下飼育した。アサリの収容密度は300個/コンテナとした。飼育コンテナと網蓋は1ヶ月毎に新しいものに交換した。
  2. 殻長15~30mm小型サイズのアサリを用いて、京都府の阿蘇海内で12月から翌年の6月まで約半年間の垂下飼育を行ったところ、生残率は86~93%であった。殻長15mmのものは36mm、殻長30mmのものは42mmに成長した。したがって、12月に30mmサイズ以上のアサリを用いて垂下飼育を始めれば、半年後には単価の高い42mm以上の大型アサリを生産できると考えられた(図1)。
  3. 垂下アサリの肥満度(軟体部重量/(殻長×殻高×殻幅)×105)は垂下開始直後から上昇し、天然アサリに比べ常に高く、1~6月まで20~24mmで推移した(図2、写真2)。全国の天然アサリの肥満度と比べてもトップクラスの値であると考えられた。さらに、アンスラサイトの中で育成されるため、砂を含まないことも垂下アサリの大きな特長である。
成果の活用面・留意点アサリの垂下育成の事業化を図るには、必要経費や育成作業に見合った収入が得られることが必要であり、育成アサリの単価としては天然アサリの2倍程度は必要であると試算された。今後、垂下アサリの品質の良さをPRし地域の特産品に育て、付加価値を高めることにより単価のアップを図ることが重要である。
具体的データ
図1
図2
写真1
写真2
予算区分府単独事業
研究期間2008~2012
研究担当者藤原正夢
発表論文1)谷本尚史他.2011.阿蘇海における垂下飼育によるアサリの成長,生残,肥満度.京都海洋セ研報,33:17‐23.
発行年度2011
オリジナルURLhttp://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=3243&YEAR=2011
収録データベース研究成果情報

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