許容漁獲量の時空間的配分の管理効果

許容漁獲量の時空間的配分の管理効果

タイトル許容漁獲量の時空間的配分の管理効果
要約わが国は、重要な水産資源について生物学的許容漁獲量をもとに漁獲可能量を定め、漁獲量制限による資源管理に努めている。本研究では太平洋に分布するマサバを対象に、漁獲量の制限に加えて、漁獲する時期や場所を工夫することにより、資源管理効果を高めることができるかどうかを検討した。
担当機関(独)水産総合研究センター 中央水産研究所 資源管理研究センター 資源評価グループ
連絡先045-788-7633
区分(部会名)水産
専門資源管理
研究対象さば
分類研究
背景・ねらいわが国は、マサバなど重要な水産資源について、生物学的に許容できる漁獲量(ABC)をもとに社会・経済学的な要因を考慮した漁獲可能量(TAC)を定め、漁獲量制限による資源管理に努めているが、漁獲量の制限に加えて、漁獲する時期や場所を工夫することにより、資源管理効果を高める必要性が求められている。
成果の内容・特徴太平洋に分布するマサバの生活史を考慮し、7~12月は索餌場に全資源が分布し、1~6月は、未成魚は越冬場に、成魚は産卵場に分布するとした資源動態モデルを構築した(図1)。ABCは各漁期・漁場に配分するとし、配分を変化させた場合の管理効果の違いを比較した。管理のシナリオとして、S1:全資源が集まる索餌場を禁漁、S2:未成魚が分布する越冬場を禁漁、S3:親魚が分布する産卵場を禁漁、とする3つのシナリオを考え、ABCは禁漁とならない漁場に均等に配分した。S1~S3のシナリオに基づき、1977~2006年までのシミュレーションを行った結果、産卵場を禁漁とした場合、未成魚の漁獲が強まり、結果として卵を産む親魚の量が大きく減少した(図2)。越冬場を禁漁とした場合には未成魚が保護され、親魚量は3つのシナリオの中で最も高く維持された(図2)。このように、同じABCでも未成魚を保護できるよう漁期・漁場へ配分することで、より安全に資源を管理できることがわかった。
成果の活用面・留意点本研究のモデルに経済的な要因を取り入れることにより、資源管理を行いながら収益を最大にするような漁獲戦略の検討が可能になる。
具体的データ
図1
図2
予算区分交付金
研究期間2006~2011
研究担当者渡邊千夏子
発表論文1)渡邊千夏子、須田真木(物故)、赤嶺達郎、川端淳、西田宏(2012) 許容漁獲量の時空間的配分がマサバ太平洋系群の資源動態に与える影響.日本水産学会誌78(1)、15-26.
発行年度2012
オリジナルURLhttp://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4085&YEAR=2012
収録データベース研究成果情報

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