BSE経口感染牛の異常プリオン蛋白質は小腸連続パイエル板に蓄積する

BSE経口感染牛の異常プリオン蛋白質は小腸連続パイエル板に蓄積する

タイトルBSE経口感染牛の異常プリオン蛋白質は小腸連続パイエル板に蓄積する
要約牛海綿状脳症(BSE)発症牛の脳乳剤5gを経口投与した牛では、異常プリオン蛋白質は小腸終末部の連続パイエル板の濾胞マクロファージに蓄積するが、小腸に散在する孤在性パイエル板には認められない。
キーワードBSE、経口接種、牛、プリオン、連続パイエル板、特定危険部位
担当機関(独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 プリオン病研究センター
連絡先029-838-7708(情報広報課)
分類研究成果情報
背景・ねらい牛海綿状脳症(BSE)感染牛では、異常プリオン蛋白質(PrPSc)が脳、脊髄、脊髄背側神経節、眼球、扁桃で検出され、これらは特定危険部位として区分されている。BSE脳乳剤を経口感染させた牛では、感染後6から40か月の回腸のパイエル板濾胞マクロファージにPrPScが蓄積することが報告されているが、回腸以外でのPrPScの蓄積についての詳細は不明である。BSE経口感染牛を用いてPrPScの体内分布と蓄積時期の特定を試みる。
成果の内容・特徴
  1. 28頭の正常牛(生後3~11か月齢)にBSE発症牛の脳乳剤を5g経口的に接種させ、接種18か月後から経時的にPrPScの蓄積部位を免疫組織学的染色(IHC)とウエスタンブロット法(WB)で検索する(表)。
  2. 小腸について回腸中央部、回盲結口から十二指腸方向に4mまでは50cm間隔で、以降は2m間隔で合計17から20か所のパイエル板を含む部位を解析する(図)。
  3. PrPScは接種後20、30、46か月の臨床症状を示さない牛の回盲結口から3m以内の小腸終末部の連続パイエル板の濾胞マクロファージに蓄積するが、空腸に散在する孤在性パイエル板にPrPScは検出されない(図)。
  4. 接種後34か月以降に検索された15頭中8頭の牛の中枢神経系でPrPScが検出される(表)。
  5. これら8頭中のうち6頭が接種後34、42、58、66、85か月で発症する(表)。
  6. これらBSE牛の連続パイエル板が存在する小腸終末部の腸管神経叢でPrPScが検出されるが、空腸の腸管神経叢ではPrPScは検出されない。
  7. 接種後36か月と48か月に臨床症状を示さない2頭で、極微量のPrPScが最後位胸髄中間外側核あるいは延髄かんぬき部迷走神経背側核で検出される(表)。
  8. 接種30か月以下のBSE感染牛の延髄かんぬき部を含む中枢神経系にPrPScの蓄積は検出されない(表)。
  9. 全例のリンパ節にPrPScは検出されないが、接種46か月の臨床症状を示さない1頭の咽頭扁桃でPrPScが検出される(表)。
成果の活用面・留意点連続パイエル板以外の小腸に感染性の有無について、実験動物を用いた伝達試験を行う必要がある。
具体的データ
予算区分委託プロ(BSE)
研究期間2010~2011
研究担当者岡田洋之、岩丸祥史、今村守一、舛甚賢太郎、松浦裕一、毛利資郎、横山 隆
発表論文1)Okada H. et al. (2011) Transbound. Emerg. Dis. 58(4): 333-343
発行年度2011
オリジナルURLhttp://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/niah/2011/170b2_10_11.html
収録データベース研究成果情報

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