小型トラクタにより中耕管理が可能なパリセードグラスの広条播種栽培

小型トラクタにより中耕管理が可能なパリセードグラスの広条播種栽培

タイトル小型トラクタにより中耕管理が可能なパリセードグラスの広条播種栽培
要約線虫抑制性飼料作物パリセードグラスは初期生育が緩慢のため、中耕管理により雑草抑制する条播栽培が有効である。条間120cmで播種すると13PS程度の小型トラクタにより中耕管理できる。このときの収量は栽培期間を延ばすことで条間80cmとほぼ同等となる。
キーワード線虫抑制性飼料作物、パリセードグラス、広条播種、中耕管理、乾物収量
担当機関(独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター 畑作研究領域
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター 生産環境領域
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター 畜産草地研究領域
連絡先096-242-7682
Fax:096-242-7769
分類研究成果情報
背景・ねらい飼料作物パリセードグラス(別名ブリザンタ)Brachiaria brizantha品種「MG5」は、南九州地域の基幹作物であるサツマイモやサトイモの生産阻害要因となる有害線虫サツマイモネコブセンチュウ及びミナミネグサレセンチュウの両方の増殖を抑制することが明らかになっている。耕畜連携の観点から、南九州地域の耕種農家の畑輪作体系へのパリセードグラス導入を検討している。カンショと露地野菜を生産する耕種農家(生産法人)が、所有する作業機械を利用しながら、畑輪作体系の中で飼料作物を線虫抑制作物として栽培し、畜産農家へ飼料生産物を供給する形を想定している。

本研究では、パリセードグラスの生育特性に適合する栽培法を明らかにするため、散播栽培と条播栽培を比較する。次に、条播栽培においては小型トラクタによる中耕を可能にするため、条間を120cmまで広げる広条播種による栽培管理を検討する。
成果の内容・特徴
  1. パリセードグラスはソルガムと比較して初期生育が緩慢である(図1)。散播栽培では雑草との競合により十分な収量が得られない場合がある(図2)。
  2. 条播栽培条件で、中耕管理作業を入れることにより雑草/作物比が低下する(図2)。条播と中耕管理による雑草抑制が可能である。
  3. 条間120cmまで広げて播種(広条播種)すると、13PS程度の小型トラクタ+ロータリにより中耕管理できる(写真1)。
  4. 広条播種により単位面積当たりの条間数が減るため、条間60cmあるいは80cm条件で歩行型管理機を使用する場合と比較して、中耕のための走行回数を低減できる。
  5. 広条播種栽培(条間120cm)の乾物収量と面積当たり茎数は、栽培期間2ヶ月間前後では、条間80cm条件の方が高いが、栽培期間を3ヶ月以上に延ばすと継続的な分げつにより条間80cmの場合とほぼ同等となる(図3)。
  6. 播種期にサツマイモネコブセンチュウ及びミナミネグサレセンチュウの発生が認められた区(2011年B圃場)では、パリセードグラス栽培後の株間及び条間中央部の土壌における密度増加は認められない(データ略)。
成果の活用面・留意点
  1. 耕種農家圃場において畑輪作体系へのパリセードグラス導入により、飼料生産へ寄与しながら、カンショや露地野菜の線虫害が発生しにくい作付体系の構築が期待できる。
  2. パリセードグラスは飼料利用以外にも緑肥作物としての利用も可能と考えられる。
  3. カンショ栽培農家など小型トラクタを所有する農家(生産法人)およびその地域を対象とする。
  4. 本研究の収量性については、都城市の気象と黒ボク土壌にて栽培した結果である。
  5. パリセードグラス「MG5」の種子は、現在、他の1年生暖地型牧草に比べて国内では高価である。
具体的データ
図1
図2
写真1
図3
予算区分交付金
研究期間2008~2011
研究担当者安達克樹、立石 靖、鈴木崇之、岩堀英晶、上杉謙太、山田明央、金子 真
発行年度2011
オリジナルURLhttp://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/karc/2011/113a2_10_03.html
収録データベース研究成果情報

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